女性が開発に携わった優れた商品、サービスを認定することで、その活躍を応援する神奈川県の「なでしこブランド」制度。今年度の認定商品がこのほど発表された。今回は市内から選ばれた2件の1つ、しらすの風味を活かした「ディップシリーズ」を考案した「かお鎌倉極楽寺」店主の齋藤かおりさんに話を聞いた。
会社員から転身
もともと精密機器メーカーで、時計のデザイナーとして活躍していた齋藤さん。20年近く勤めた会社を退職し、一昨年夏、「夢だった」という飲食店を市内極楽寺にオープンさせた。
直後の「鎌倉料理コンテスト」では、地元の食材を巻きずしに仕立てた「カマクラロール」が最優秀賞を受賞するなど、独創的な料理を生み出している。
さらに内装や器、盛り付けにまでこだわったスタイルが評価され、予約限定、コースのみ、という営業ながら着実に来店客を増やしてきた。
常連が増えたことで「何度も来て下さるお客様に、前と同じものは提供したくないと考えるようになりました」と齋藤さん。そこで調味料にもおつまみにもなる「ディップ」(ソース)の開発に着手した。海の幸に恵まれた鎌倉らしく「しらす」を使うことを決め、風味や食感が活きるように試行錯誤を繰り返してきた。
昨年夏、しらすにしょうゆや豆乳を加えてまろやかに仕上げた「和風バーニャカウダ」の提供を始めたところ大好評。現在はご飯や肉、魚に乗せてもおいしい「しらす味噌」、お酒のつまみにぴったりな「しらす・酒粕のディップ」など、5種類にまで品目を増やしている。
商品化も視野
最近では「あのディップを買いたい」という声が増えたため、店を訪れた希望者にのみに販売しているが、一般への販売などは未定という。
齋藤さんは「せっかくなでしこブランドに選んでもらえたので、これをきっかけに商品化も検討したい」と話す。先月行われたなでしこブランドの表彰式で出会った経営者から「販売や量産を考えているならお手伝いしますよ」とオファーがあるなど、今回の認定は新たなビジネスのきっかけになりそうだ。
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