イトーヨーカドー大船店横の公園に設置されている「寅さん」と「美空ひばり」を描いたタイル壁画が撤去されることになった。管理する松竹(株)が「劣化が進み、安全を確保できない」として決定。周辺住民からは「かつて松竹大船撮影所があったことを伝える数少ない『遺産』。何とか保存・活用できないか」という声も聞かれる。
2つの壁画は1995年、松竹(株)が創立100周年事業として大船撮影所跡地に開設したテーマパーク「鎌倉シネマワールド」内に設置された。1998年の同施設閉鎖後、2000年に現在の場所へ移設された。
設置から20年が経過した現在、タイルの一部が浮いたり、躯体部分がさびるなど劣化が目立つようになっている。設置場所が公園内で、裏手にはイトーヨーカドー駐輪場があることなどから、同社は「安全が確保できない」として撤去を決めた。9月末から10月初めに工事に着手する予定で調整を進めているという。
タイル壁画は撤去後、寄付者の名前が書かれた芳名版とともに、東京都中央区築地にある同社倉庫に保管される。
2つの壁画はすでに国宝の襖絵などにも使われる技術を用いて「画像化保存」された。同社は「有償にはなるが、地域のイベントなどで要望があった場合、データや印刷物として提供したい」とする。
保存・活用望む声も
撤去の知らせを受け、市民からは惜しむ声も聞かれる。今年5月に開催された大船まつりで「映画仮装パレード」を初めて企画し、市内外に「映画の街・大船」をアピールした市民団体チームサムライの関係者は「このタイミングで撤去されるのは惜しい」と話し、松竹に対し活用法などについて提案することを検討しているという。
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