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「泣塔」で住民主体の慰霊祭 市に移管後初の開催

文化

掲載号:2018年3月2日号

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 「泣塔」の呼び名で知られる、市内寺分の市指定文化財「宝篋印塔」で2月25日、住民主体の慰霊祭が行われた。塔のある岩山が市有地になって以来、初の試み。呼びかけ人代表の岩壁孝さんは「これをきっかけに、地域の歴史を後世に繋いでいきたい」と話す。

 「泣塔」は、深沢多目的スポーツ広場の敷地内にある、岩山の中に立つ。正式な由緒は不明だが、新田義貞の鎌倉攻めの際に激戦地となった洲崎古戦場が近いことから、合戦の戦死者を弔うために建てられたと推測されている。

 「泣塔」の呼び名は、「後ろのやぐらに風が反響し鳴き声のような音を出す」「塔を青蓮寺に移したところ、夜な夜なすすり泣く声が聞こえた」といった伝承がもとになっている。

 1943年に横須賀海軍工廠深沢分工場が造営された際や、終戦後に土地が国鉄の所有となり車両整備工場となった後も、塔のある一角は保存され、国鉄職員らによって定期的な慰霊が行われていたという。

 しかし2001年に一角が鎌倉市に移管された後は、政教分離の観点から慰霊は行われなくなっていた。このことを知った岩壁さんらは「地域を見守り続けてきた泣塔を大切にすることで、深沢の歴史を後世に繋ぎたい」と2年前に「鎌倉泣塔クラブ」を結成。周辺の清掃などを行ってきた。

 活動は徐々に地域に浸透し、慰霊祭の開催が決定。基壇部に刻まれた「文和五年(1356年) 丙申 二月二十日 供養了」が塔の建立日と見られていることから、2月の実施となったという。

住民ら60人が参加

 慰霊祭当日は、呼びかけ人の8人をはじめ地域住民約60人が参列。青蓮寺の服部全弘住職、泉光院の泉弘栄住職、等覚寺・東光寺の服部融信住職の3人が、泣塔に向かって読経した。

 青蓮寺の服部住職は「供養には大勢の人が犠牲になった過去の出来事を繰り返さないように、と気持ちを共有する意味合いがある」と集まった人々に語りかけた。岩壁さんは「深沢の歴史を後世に伝えていけるよう、今後も活動を続けていきたい」と話していた。

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