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よみがえる幻のリゾート計画 中央図書館で「ユーイービーチ」展

社会

掲載号:2018年9月28日号

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分譲案内のチラシ(左上)震災により崩落した霊山ヶ崎(右上)計画された魚型水族館やらせん状の大型滑り台(下)(鎌倉市中央図書館所蔵)
分譲案内のチラシ(左上)震災により崩落した霊山ヶ崎(右上)計画された魚型水族館やらせん状の大型滑り台(下)(鎌倉市中央図書館所蔵)

 昭和初期、関東大震災からの復興を目指して、坂ノ下の海面を埋立てて住宅地として分譲するとともに、遊園地やホテルを開設するリゾート計画が持ち上がった。時代の荒波の前に「幻」となった知られざるその歴史にスポットを当てた資料展が10月4日(木)から、鎌倉市中央図書館で開催される。

 「幻のユーイービーチ―震災復興・坂ノ下埋立地の歴史―」と題したこの展示では、坂ノ下で実施された約2万5千坪におよぶ「公有水面埋立事業」の歴史を紹介する。

 1923年9月1日に発生した関東大震災により壊滅的な被害を受けた鎌倉。復興を目指すなか、28年頃に、坂ノ下の海を埋め立て宅地として開発する計画が県外の事業者から持ち込まれた。翌年には県の許可が下り、震災で崩落した霊山の一部などから採土し、埋め立て工事が進められた。

 県から竣工認可を受けたのは34年4月。当初は全面住宅地として分譲される予定だったが、107戸の宅地以外に、「鎌倉ユーイービーチ」と名付け、最先端の遊園地やホテル、水族館を開設する一大リゾート計画に変更された。

 遊園地は「豊島園」を手がけたことで知られる戸野琢磨に設計を打診。魚型水族館や内部に食堂を持つらせん状の大型滑り台など、ユニークなデザインが想定されていた。

 しかしその後は埋立地内に片瀬鎌倉間観光道路(現在の国道134号)が敷設されることになったことなどから工事が遅延。分譲も実施されないまま41年に事業者が倒産し、計画は幻となった。

 戦後、埋立地の一部は所有者から鎌倉市に寄付され、市営プールや水族館が建設された。

遺族が資料を寄贈

 今回展示される資料は、事業を中心となって進めた武田辰之助(1868―1943)の曾孫にあたる武田光比古さん(平塚市在住)から、2013年6月に寄贈されたもの。武田さんは91年、曾祖父が残した大量の資料を自宅倉庫で発見。「鎌倉の復興の歩みの一端を物語る資料で、市で大切に保管してほしいと考えた」という。同館は「震災からの復興に努めた先人の思いを知る契機になれば」と話している。

 会期は10月17日(水)まで、会場は同館3階多目的室で、開室時間は午前9時から午後5時まで。月曜休館。4日(木)、6日(土)、11日(木)、13日(土)は午後2時から武田さんによるギャラリートークも予定。

 詳細は【電話】0467・25・2611へ。

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