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鎌倉 人物風土記

公開日:2019.04.05

鎌倉市消防本部の消防長に就任した
芥川 忠さん
藤沢市在住 59歳

結束力高め”故郷”守る

 ○…昨年度、鎌倉消防署長を経験し、4月1日から市内約240人の消防職員を取りまとめる鎌倉市消防本部の消防長を任された。消防人生42年目での大役に「責任の重さを感じる。定年まであと1年。市民の生命・身体・財産を守るため、持てる力を全て出し尽くしたい」と力強く語る。

 ○…市内植木生まれ。180cmの長身を生かし、中高ではバスケットボール部で活躍した。「練習中は『水を飲むな』と言われた時代。うさぎ跳びの反復はきつかった」と振り返る。父親が鎌倉消防署に勤務していたこともあり、「緊急時には昼夜問わず、現場に駆けつける背中を見るうちに、いつしか憧れを覚えた」という。高校卒業後、市消防本部に入庁。スポーツで培った体力を発揮し、消防隊や救急隊など、これまで携わってきた仕事の半分以上は「現場」だった。「救助した人や家族から感謝の言葉や手紙をもらった時にはいつも、胸に熱いものが込み上げてくる。生まれ育ったまちを守れることを誇りに思う」

 ○…高齢化に伴い、市内の救急出動件数は2014年度から1万件を超え、右肩上がりに推移している。増え続ける需要に対応すべく、今後は高齢者宅を巡回して住宅用火災報知器の設置の呼びかけや若手職員の育成、消防団員の募集などに力を入れていくという。「1人でも多くの人を助けたい。そのためには市民の結束力を高め、地道な活動をしていかなければ」

 ○…休日はツーリングに出かけるのが息抜きだという。「いつ出動命令がでるか分からないのであまり遠出はできないけどね。同業者との情報交換の場にもなっている」。また、結婚31年目の妻に対して「今まで家のことは任せっきりだった。時間ができたら旅行に行ったりして恩返ししたい」と照れくさそうに笑った。

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