2022年のNHK大河ドラマが、鎌倉幕府2代執権・北条義時を主人公とする『鎌倉殿の13人』になることが1月8日、同局から発表された。脚本は三谷幸喜さん、主演は小栗旬さんという人気・実力を兼ね備えた2人のタッグで、地元ではさっそく大きな期待が寄せられている。
物語の主人公となる北条義時は、源頼朝の妻・北条政子の弟。頼朝の平氏打倒と鎌倉幕府設立を支え、後鳥羽上皇が倒幕の兵を挙げた承久の乱では、朝廷の軍を打ち破って武士による政治体制を確立した。
タイトルの「13人」は、頼朝の側近で2代将軍・頼家の時代に導入された合議制による政治を主導した有力御家人。義時がライバルとの激しい権力闘争を勝ち抜いていく様を描くという。
同作品の制作統括は「弱小豪族だった北条家の嫡男でさえなかった義時が、幕府のトップに上り詰める過程はドラマチックで、1年にわたるドラマの主人公にぴったりと考えた。皆さんが何かの決断をする時に『あの人物だったら』と想像してもらえるようなドラマになれば」とする。
脚本は『新選組!』『真田丸』に続き、大河ドラマ3作目となる三谷幸喜さん。制作発表では「この時代には物語としてのおもしろい要素が全部詰め込まれていて、それを大河ドラマとして手掛けられるのは脚本家冥利に尽きる」と語った。
また義時を演じる小栗旬さんは「どうすれば皆さんの期待を裏切らない義時を演じることが出来るのか、いまから想像するだけで胸躍る思い」とコメントした。
経済効果に期待の声
大河ドラマは、舞台となった地域への経済波及効果で知られる。
16年放送の『真田丸』の舞台となった長野県上田市では、14年5月にドラマ制作が発表されると、同年7月にはシティプロモーション推進室を設置。放送開始前に駐車場や案内看板などの整備を進めた。
また行政や商工・観光にかかわる61団体が「大河ドラマ『真田丸』上田市推進協議会」を結成。
六文銭をあしらったロゴを商標登録し、地元企業などにより600を超える商品が展開された。ドラマの世界をテーマに同協議会が運営した「大河ドラマ館」には、1年間で103万人が来館。放送期間中は出演俳優が登場するトークショーなど様々なイベントが開かれ、最終回の「パブリックビューイング」には、800人が訪れた。
ドラマによる経済波及効果は、上田市内だけで67・9億円(観光消費総額)、長野県全体で200・9億と試算された。
同市観光課の青木卓郎さんは「ドラマのファンが上田のファンとなって訪れてくれている」として、放送終了から3年たった今も「大河効果」を実感しているという。
現在のところ「13人」の撮影やイベント等が鎌倉で開催されるかについて同局は「未定」とするが、地元からはさっそく期待の声が上がる。
松尾崇市長は「ドラマの放映と連動した取り組みを進め、鎌倉が育む歴史文化の魅力発信やシティプロモーションにつなげていきたい」とコメント。鎌倉市観光協会の大津定博専務理事は「またとない機会で、鎌倉の魅力をどんどん発信していく」とし、市文化人権課は「関係する他自治体とも連携しながら盛り上げたい」と話している。
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