「鎌倉大仏前マルシェ」の実行委員長 井出 朋子さん 腰越在住
「おいしい」の伝道師
○…「おいしいものに出会える火曜日」。そう銘打って昨年10月にスタートさせた『鎌倉大仏前マルシェ』は、月に数回、鎌倉観光会館で火曜に開催している。1月も18日と25日に予定し、「青みかんドレッシングに天然酵母パン、その日の搾り立て牛乳などおいしいものがいっぱい」と語り、1人でも多くの来場を期待している。
○…マルシェ立ち上げのきっかけは、コロナ禍で大幅に減少した観光客。「空き店舗もあり、特に平日は閑散としている」という大仏通りの観光会館で、自身も昨年9月に全国の食品を販売する店「ウォーク&ファインド鎌倉」を開業したが、営業はままならず。「まず足を運んでもらうきっかけとして、周りのお店に声をかけてマルシェを始めたんです」。その前向きな行動に市内外の生産者も呼応し、イベントには毎回10店ほどが出店している。
○…生まれは島根県。近所の海と山を駆け巡り、ピアノやフルートにも熱中した。高校卒業後は上京し、カメラメーカーに就職。33歳での出産を機に退職し、子どものごはん作りによって「食」に目覚めた。「もともと食べることは好きだったけれど、栄養やバランスを考えるようになり食の大切さに気づいた」。児童養護施設に勤務し、資格も野菜ソムリエ、食育インストラクター、調理師を取得。さらに、50歳を過ぎてから起業した。その会社では島根の食品も扱うため、故郷からふるさと親善大使に任命されている。
○…「食のパワーはすごい。笑顔になるし、免疫もつく。マルシェでおいしいものを共有し、街が元気になれば」と前を見据える。今の楽しみは、イベントで生産者と来場者が交流する姿に触れることと、夫の手作りパスタを食べることだ。