「革新」―。鎌倉の雰囲気や人の魅力にひかれて、「ここで新たな生活を始めたい」「この街で挑戦したい」と移り住む人も多い。「関係案内所はつひので」の代表関係案内人、小林ななみさん(29歳・西御門在住)もその中の1人だ。
昨年6月、地域の人との関係づくりや、何かに挑戦したい人をサポートする拠点を材木座に開設した。場所は、地元の人になじみ深い元酒屋の「日の出屋商店」。歴史ある店の名と「どこかのだれかの初日の出に」という思いを重ねてつけた拠点の名が、「関係案内所はつひので」だ。
大学時代、宅地開発が進むアジアの街で住民の考えを取り入れるボトムアップのまちづくりに感銘を受けた。卒業後は一般企業に勤めたが、まちづくりへの思いが再燃。大町の起業支援拠点「HATSU鎌倉」の立ち上げにも携わった。
そんな中、訪れたコロナ禍で「在宅勤務」という働き方の普及とともに、鎌倉への移住者や仕事をしつつ観光も楽しむワーケーションも増加。一昨年には、市外から来た人のためのコーディネートサービス「ヨリトモワーケーション」を実施し、鎌倉市の支援事業にも認定された。
縁が生まれ街のファンに
12月のある日、「小林さんの姿が見えたので」とふらっと訪れたのは、都内在住の男性。イベントに参加して以来、材木座の辺りが好きになり、今日もやってきたという。「観光地らしい鎌倉は、ほとんど行ってなくて」と笑う彼は、まさに「関係案内」で生まれた鎌倉のファンだ。
小林さんは「関係案内にも段階がある」とも語る。まずはイベントなどの企画に参加し、興味のありそうな人や機会を紹介する。さらに具体的なアクションを起こそうとしているなら、必要としている役割やコンセプトに合う人へとつないでいく―という具合だ。街での活動に欠かせないのは「キーマンとの出会い」。地元の重鎮や顔の広い人など、「この人に聞けば」という人との縁が活動をスムーズにしてくれる。
地元に住む人と新しい人をどう交わらせていくかが目下の課題だ。「まずは知ることから」と地域の歴史も勉強中。住民が立ち寄りやすいようにと野菜販売も行う。「私もご縁をいただいた身で、試行錯誤しています。歴史あるもの、古いものを新しいものにも生かしていけたら」
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