道路交通法の一部改正に伴い、4月1日から自転車に乗るすべての人を対象にヘルメットの着用が努力義務化された。強制するものではなく、罰則もないが、自転車事故による死亡者の致命傷の約7割が頭であることから、警察署などでは着用を呼び掛けている。しかし、鎌倉市内では着用している人はまだ少なく、努力義務化を「知らなかった」という声も。店舗によっては、ヘルメットが品薄で手に入りにくい状況になっている。
3月31日までは、13歳未満の子どもが自転車に乗車する際にヘルメットを着用するよう保護者が努力する必要があった。4月1日からは、年齢にかかわらず、すべての人が着用に努めなければならない。ただし、着用していない場合でも、運転中の傘さしやスマホの操作、イヤホンなどのような違反とは異なり、罰則もない。
致命傷の7割が頭
それでも警察署では、安全のために啓発活動を行っており、大船警察署では、改正前の3月に街中でチラシを配布した。
神奈川県警によれば、過去5年間の自転車乗車中に亡くなった人のうち、致命傷となった箇所の72%が「頭」だったという。交通事故の被害を軽減するためには、「頭部を守ることが重要」とし、安全性能の基準を満たすヘルメットを、あごひもを締めて正しく着用するよう呼びかける。
だが、鎌倉市内を取材する中で、街中を走る自転車の運転者でヘルメットを被っている人は、子どもを除くと、目算で1割未満。13歳以上も努力義務となったことを「知らなかった」という声も聞かれた。鎌倉市役所そばの駐輪場を通勤で利用する男性は、「ヘルメットって義務化されたんですか?市の条例?それとも全国的に?」と驚きを見せた。
駅周辺にある観光用のレンタサイクル店では、自転車と一緒にヘルメットの無料貸し出しをしており、利用者に案内をしているが、「利用はほとんどない」という。
ヘルメットを着用していた市内在住の60代男性は、「以前から持ってはいたが、使っていなかった。努力義務と聞いて改めて使い始めた。安全のためには、使った方がいいですよね」と話した。
大人用が品薄
一方で、大人用のヘルメットが品薄になり、入手が難しいのが現状だ。市内ホームセンターのヘルメットのコーナーでは、ジュニア用は複数あるが、大人用はゼロ。市内の専門店では、努力義務化を前に注文が増加し、品数を増やしたが売り切れた。「次の入荷もいつになるか分からないので、予約も受け付けていない」(店主)
警察署では、今後も交通安全のキャンペーンなどに合わせて啓発活動をするとしている。
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