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鎌倉 人物風土記

公開日:2025.04.18

不登校特例校の鎌倉市立由比ガ浜中学校の分校長に就任した
岩田 明さん
今泉台在住 46歳

学びへの探求心を大切に

 ○…神奈川県内では公立初となる分校型の学びの多様化学校(不登校特例校)、鎌倉市立由比ガ浜中学校が4月に開校。分校長に任命され、生徒31人と歩み出した。職員室改めスタッフルームは、生徒と顔を合わせやすいオープンな作り。教諭のことは親しみやすいようにスタッフと呼ぶ。「分校長はリーダー。呼び名はぶんちゃんでも何でもいいけどね」

 ○…建長寺境内の家で生まれ育った。父は彫刻家で、自身も絵に音楽にと芸術に触れ、アーティストになることを夢見た。今でもシュールレアリスムの作品を描いている。教育畑へ進んだ転機は、横国大付属鎌倉中の頃。同校の合唱団員として共演した米国の少年と何年も文通を重ね、英語の面白さに目覚めた。湘南高校入学後、教育への危機感や疑問を感じ、探求すべく横国大教育人間科学部へ進学した。

 ○…小中学校での教育実習で子どもたちのかわいらしさに触れ、市立中の英語教諭として教鞭をとる中で「人を育てる」大変さや責任を知った。個性も家庭環境も一人一人違う。「だからこそ、学校生活が社会に出た時にいい経験になるはず」。市教育センターの相談指導担当になったのは4年前。数多くの生の声を聞いて来た。民間と連携した不登校支援の企画立ち上げにも尽力。「子どもたちの表情がだんだんと変わっていった」。手応えも確かだ。

 ○…昨夏の説明会には県外からの参加者を含む70組以上の親子が参加。今春、他市から転居してきた生徒もおり「需要と期待の高さを痛感した」と気を引き締める。校内には、リラックスできる空間やグッズを備え、個々のペースや興味を大切に学習していく。「自分らしく学び、友人をつくり、由比ガ浜中を卒業していってほしい」

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