鎌倉 人物風土記
公開日：2025.08.01
７月14日付けで鎌倉税務署の署長に就任した
村山 康知さん
東京都在住 54歳
謙虚に堅実に
○…行政や警察、消防、福祉など、社会の基盤を支える「税」。日常では意義が目に見えにくく、「取られる」という負のイメージが先行しがちだが、「重要性をしっかり伝えていきたい」と言葉に熱を込める。鎌倉市、逗子市、葉山町の２市１町を管轄する鎌倉税務署。作文・標語コンクールだけでなく、地域団体と連携した租税教室にも積極的に取り組む。
○…京都府出身。悠久の歴史と文化香る鎌倉の街並みを「似ていますね」と郷里に重ねる。大学生の時に阪神淡路大震災が起こり、関西圏の経済が大打撃を受けた。名の知れた企業でも一瞬で姿を消す現実を目の当たりにし、行政の仕事を志した。法学部で学んだ知識を生かせる道として東京国税局に就職。税に関する法律をどのように制定し、全国５００以上の税務署でどのように運営していくか、その最前線で腕を振るった。
○…個人課税の部署を担当している時には、東日本大震災が発生。３月は確定申告の時期にも重なるが、被災者は自身と家族の命を守るのに精いっぱい。東北６県の申告期限を特別に延長するための法整備にも尽力し、復興へのサポートにも心を砕いた。大切にすることは「対話」。一方的に都合や法律を押し付けるのではなく、相手を慮ることで上手く行く。震災で得た教訓は、初の署長になっても生きる。「近年はスマートフォンからの納税やキャッシュレス化など便利になりました。メリットを外に発信していかないと」。新たな使命を胸に宿す。
○…夫人との間に２男に恵まれた。「見どころも美味しそうなお店もたくさん。妻と一緒に鎌倉を散策したいね」と、密かに計画中。野球観戦も楽しみの一つ。関西生まれだけに、幼少の頃から阪神一筋だ。
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