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公開日:2025.08.01
登山家西川史晃さん
世界7大陸最高峰を制覇
マッキンリー登頂成功
鎌倉在住の登山家・西川史晃さん(43)が5月31日、北米大陸最高峰マッキンリー(旧称デナリ、標高6190m)への登頂に成功し、世界7大陸最高峰の完全制覇を達成した。昨年6月の同峰挑戦では、悪天候と体調不良により山頂まであと一歩のところで撤退を余儀なくされたが、不屈の精神で頂に立った。
西川さんのマッキンリー挑戦は2度目。今回は、カメラマンとサポートを含む3人チームで入山し、前回の教訓を生かし、休息を多く取り入れた、ゆとりのあるスケジュールを組んだ。これにより、現地の天候回復を待つ時間的な余裕が生まれ、結果的に登頂成功へとつながった。
登頂まではマッキンリー特有の厳しい寒さ、変わりやすい天候、体調管理との戦いが続いた。前回よりも寒さが厳しく、撮影機材など装備も重く、体力にじわじわと影響を及ぼした。さらに、生命線となるバーナーが使用できなくなり、水が作れないという危機に直面。アクシデントはチームの雰囲気を険悪にしたが、西川さんは黙々とバーナーを修理。感情的にならずに状況を打開できた自身を「成長した」と振り返る。
山頂を独り占め
山頂アタック前日は、予報よりもはるかに強い風が吹き荒れ、他の登山チームが下山を選択する中、西川さんは自身の装備が耐えられると判断し夜を明かした。そして迎えた登頂日、山頂へのアタックを敢行したのは、なんと西川さんのチームだけだった。この日の天気予報はマイナス32度。極限の寒さの中、体力の限界を超え、精神を研ぎ澄ませて高度を上げ続けた結果、ついに念願のマッキンリー山頂を独り占めした。
登頂した瞬間の率直な気持ちは、「あー終わった。もう来なくていいんだ」という安堵だったと明かす。この時の感覚は「人生最高の『しんどい』を更新した」というほど、極限の疲労を伴うものだった。
西川さんは、冒険家・登山家として知られる植村直己さんと同じ誕生日であり、植村さんがマッキンリーで消息を絶ったとされる43歳という年齢で、マッキンリーの頂に立ったことに「不思議な縁を感じた」と語っている。今年2月にデナリから正式名称がマッキンリーに戻ってから、日本人として初の登頂者になったことも、登山申請の手続きをした際に確認できたという。
「可能性は誰にでも」
30歳の頃の失恋をきっかけに登山を開始した西川さん。2017年から7大陸最高峰制覇の挑戦を開始し、キリマンジャロ、エルブルース、コジオスコ、アコンカグア、エベレスト、ヴィンソン・マシフへと次々に登頂成功した。これまですべての山を一度の挑戦で登頂するなど、その登山能力と精神力の高さを示してきた。
自身の挑戦を振り返り、「7大陸最高峰制覇だって言い続けていればできちゃう。誰にでも可能性はある」と語る。「好きなことを続けていたら目標ができ、さらにその先に夢が現れる」と、情熱を追求することの重要性を強調した。また、「鎌倉の方々にも支援していただき、登頂できたのは支えてくれた皆さんのおかげ」と周囲への感謝を述べた。
次は地球の極地へ
7大陸最高峰制覇という偉業を成し遂げた今、次なる目標は、地球の極地へと向かうこと。
来年11月には、約900Kmの距離を50日ほどかけてソリを引きながら、「メスナールート」で南極点を目指す。さらにその先には、北極点への挑戦も視野に入れているという。西川さんの挑戦はまだまだ続く。
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