鎌倉 人物風土記
公開日:2025.09.26
アウトリガーカヌー女子日本代表チームのキャプテンを務める
三浦 良子さん
静岡県在住 41歳
疾走感に心ときめく
○…ハワイのモロカイ島からオワフ島までの約60Kmを、10人で6時間かけて渡るアウトリガーカヌーの世界大会「Na(ナ) W(ワ)ahine(ヒネ) O(オ) Ke(ケ) Ka(カ)i(イ)」へ挑戦する女子日本代表。その要となるキャプテンを任されて今年で6回目。材木座海岸で練習を重ね、チームの仕上がりも上々だ。「順位はもちろん狙いますが、全員が無事渡り切ることが何より」。船体が安定する浮力体はあっても、過去に事故もあったという過酷な舞台だけに重責をしっかりと心に刻む。
○…小柄な日本人は体格に恵まれた海外の選手に比べて不利とされるが、近年は上位勢の背中が見えてきた。船体が軽いがゆえの瞬発力を生む息の合わせ方。複雑な海流と風を読む巧みなコース取りなど、出場回数を重ねるたびに成長を実感している。パドルを漕ぐ6人のタイミングが合った瞬間の疾走感は、「一番気持ちが高まる」と満面の笑み。
○…静岡県出身。幼少の頃から海はすぐそばにあり、大学時代ライフセービング活動に参加したことがきっかけで、地元の消防局へ。友人からの勧めでアウトリガーカヌーと運命の出合い。のめり込んで技術を学びにオーストラリアに移住し、鮮魚店で働きながら毎日海に浮かんだ。「がむしゃらだった」とトレーニングに明け暮れるうちに、オーストラリアチームの一員として世界大会に出たことも。帰国した今は、材木座のクラブを拠点に、自身の腕を磨き後進を育てる。
○…スポーツ好きを生かして、特別支援学校の教員として子どもたちに運動の魅力を伝える。転覆しにくいアウトリガーカヌーは老若男女問わず誰でも楽しめる。「障がいのある子どもたちにも体験させてあげたい。新しい刺激は、きっと未来の可能性を広げるから」
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