3月18日に湘南地区で小学生ソフトテニス大会を初開催する実行委員長 宮本 貢平(こうへい)さん 藤沢市在住 78歳
「ライクじゃなくラブだね」
○…「近隣の小学生のクラブチームは試合ができない所もあるんです。少しでもソフトテニスの技術向上につながれば」。大会は茅ヶ崎市内の中学校で行われ、「湘南チャレンジカップ」と題して茅ヶ崎市・藤沢市・鎌倉市・寒川町のチームが集結する。本来であれば昨年同時期に行うつもりだったが、震災の影響で延期を余儀なくされた。しかし、昨年12月に湘南地区の小・中・高の合同練習会に参加するなど、普段接する機会が少ない近隣チームの監督やコーチ同士が交流を図り、準備を進めてきた。
○…以前は中学教諭で、ソフトテニスは城山中(小田原)時代にコーチとして携わったのがきっかけ。「僕は素人で、当時は『困った』の一言」と屈託のない笑顔を見せる。だが、鎌倉市立第二中に転勤してからは顧問に就任。自他共に認める「厳しい監督」としてチームを県優勝に導き、関東大会には8回出場した。「ライクじゃなくてラブ、愛情を持ち熱中することが大切。僕は生徒に対して、生徒はテニスに対してね」。厳しさの中にはいつも愛情があり、自らをさらけ出して子どもと向き合ってきた。
○…中体連でも長年役員として尽くし、人脈も広げていった。今回の実行委員のメンバーにも教え子がおり、サポートしてくれているという。現在は妻と2人暮らしで、趣味は学校やテニスで知り合った旧友と共に行く旅行。「監督時代はライバルがたくさんいてね。でも、真剣に勝負した相手とは試合が終わってしまえば仲がいいんですよ」
○…40年以上ソフトテニスに没頭し、今は指導者たちにも目を向ける。「監督やコーチは『我慢と辛抱』。それに自分が楽しまなければ、子どもも楽しめない。でも、それが分かるようになったのは年を取ってからだね。最近よく『丸くなった』ってみんなに言われるよ」。愛情を注いだ教え子の成長過程を見るのは昔からの楽しみ。「子どもは宝」。今でも強く思っている。
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