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コロナ下の五輪 舞台裏で支える 常磐さん マラソン・競歩で競技役員に

スポーツ

掲載号:2021年9月3日号

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現在は横浜市内の高校陸上部で指導
現在は横浜市内の高校陸上部で指導

 札幌市を会場に8月5日から8日まで実施された東京五輪マラソン・競歩競技。男子マラソンで大迫傑選手が6位入賞、20Km競歩で池田向希選手が銀メダル、山西利和選手が銅メダルを獲得するなど、日本勢の活躍も目立った。市内十間坂在住の常磐信欽さん(45)は、大会役員として運営を支えた1人。コロナ禍という特殊な状況のなか、間近で感じた「平和とスポーツの祭典」について話を聞いた。

 「この数年、五輪のために多くの時間と労力を割いてきたので、今は終わってホッとした気持ち」と話す常磐さん。

 競歩の審判員資格を持つ常磐さんのもとに、県陸上連盟から五輪への派遣要請があったのは5年ほど前という。2017年には国際陸連の審判員試験を受験。「問題も全て英語で本当に苦労しましたが、なんとか合格できました」と笑う。

 しかし準備段階では様々な要因に振り回されることになった。酷暑への懸念から会場は札幌に変更、そしてコロナ禍によって大会そのものが1年延期となった。

 ようやく迎えた大会期間中は、マラソンでは給水所の管理を、そして「本職」でもある競歩では国際審判であるポルトガル人のホセさんのアシスタントを務めた。

 「過去にも国際大会で彼と組んだことがあった。温厚で周囲を気遣える人だったので真っ先に彼のところへ行って『一緒にやろう』と。彼も覚えてくれていました」。試合中はホセさんとともに、選手のフォームチェックや反則回数の集計などを担った。

制限のなか開催

 コロナ禍のなかの開催で「バブル式」が徹底されたこともあり、ホテルではフロア間の移動も制限された。目と鼻の先にある会場まで専用バスでの移動が義務付けられ「バスを何十分も待つこともあった」という。

 それでも海外メディアの多さや外国語が飛び交う会場など、他の国際大会とは異なる「五輪ならではのステータス」を感じた。また20Km競歩で日本勢を抑えて優勝したマッシモ・スタノ選手(イタリア)の歩行は「フォームも美しく、終盤になっても余裕があるように感じた」と大きな刺激を受けた。

「経験地域に還元を」

 常磐さんは茅ヶ崎市出身で梅田中学校時代に陸上を始めた。中距離の選手として活躍した後、高校の体育教諭に。鎌倉の女子校で陸上部の顧問をしていたとき「生徒の1人が競歩をやりたいと言い出して」経験ゼロから指導することになった。

 その後、試行錯誤の末に指導法を確立し、多くの教え子を全国大会に導いた。自身も審判員資格を取得し、競技環境の向上に取り組んできた。

 現在は横浜市内の高校で陸上部の顧問を務める。モットーは「自分で考える力を養うこと」という。

 今回の経験を振り返り、「テレビで見た子どもたちが『競歩って面白そう』と始めるきっかけになったらうれしい。地元茅ヶ崎にも還元していけたら」と話した。

コンビを組んだホセさん(右)と
コンビを組んだホセさん(右)と

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