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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2024.02.02

「アデッソオーケストラコンサート」に出演するピアニスト
須江 太郎さん
鎌倉市在住 60歳

  • 須江 太郎さん (写真1)

「自分らしく」音楽を追求

 ○…新進気鋭の指揮者、出口大地さんをはじめ全国の名手が1日限りのコラボレーションを果たす「アデッソオーケストラコンサート」(2月17日、茅ヶ崎市民文化会館)に出演。「20世紀最大のピアニスト」ホロヴィッツが生前使用していた1912年製のスタインウェイでチャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第1番』を演奏する。「コントロールは難しいけれど、さまざまな音色が出せる素晴らしい楽器。少しでもいい音楽を届けられたら」

 ○…東京都で生まれ、3歳から茅ヶ崎で育った。ピアノを始めたのは4歳。「練習は嫌い。でもピアノは好きでした」という。茅ケ崎高校を卒業後、音楽大学に進学。「ピアノの先生になれたら、ぐらいの気持ちだった」が、周囲はプロを目指すエリートばかり。「完全なる落ちこぼれ。とんでもないところに来てしまった、と落ち込みました」と苦笑する。

 ○…しかし意外な形で「演奏家」としての道が開ける。卒業後は茅ヶ崎の乃羽バレエ団で発表会などのピアノ演奏を担当するように。やがて合唱団からも伴奏依頼が来るようになり、気付けばソロとして演奏する機会が増えていった。30歳から2年間、パリ留学も経験。現在は茅ヶ崎のほか自宅のある鎌倉、都内でも演奏会を重ねる。「今でもピアニストと名乗るのは、おこがましい気持ち。人や楽器との出会いに恵まれ、気付いたらピアノを弾いて生活できていた」と微笑む。

 ○…地道に、しかし真摯に音楽と向き合ってきた時間は着実に成果となっている。「歳を重ねるごとに音楽が分かってきた。昨年、還暦になりましたが今が一番いい演奏ができている実感がある」。充実の時を迎え、地元茅ヶ崎のステージで最高の音楽を響かせる。

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