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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2024.11.22

茅ヶ崎市応急手当普及協会の会長を9年務め茅ヶ崎市表彰を受けた
森田 弘治さん
茅ヶ崎市円蔵在住 83歳

「あなたに救える命がある」

 ○…公民館などで救命講習を実施したり、応急手当普及員の育成に取り組む「茅ヶ崎市応急手当普及協会」の会長を、2011年から20年まで9年務めた。その功績が称えられ、このほど市表彰を受けた。「実績を残したのは協会だから」と謙遜するが会長在任時は、湘南マラソンの救護を担当するなど意欲的に活動した。協会のコンセプト『あなたに救える命がある』を胸に「講習に参加してくれる人が一人でも増えれば、救える命が増え、まちの安心安全につながる。あなただって、助けてもらえるかもしれない」。

 ○…1941年に都内で生まれた。戦時中、母の手に引かれ逃げたのをぼんやりと覚えている。長野に疎開し「食料もなく難民のような生活だった」。中学卒業と同時に故郷に戻り東京都の消防士に。働きながら夜間高校や大学を卒業。救急救命士の国家資格第1号に合格するなど救急の現場一筋で勤め上げた。定年後は1週間と休まずに、国士舘大学に新設された救命士を育てる学科の実習助手となり、自身の経験を次世代に伝えた。

 ○…30代半ばで茅ヶ崎に根を下ろした。大学の仕事が非常勤になって時間ができた65歳の頃、ふと目にしたのが、普及協会員の募集記事。「経験を地元に還元できる」と即、消防署へ駆け込んだ。「講習会に応募してくる人は意識が高い。もっと広く命の大切さを学び、知ってほしい」と呼び掛ける。

 ○…数年前まで各地の山に登り、多くのマラソン大会にも出場。コロナ禍に不整脈で心臓を手術したが、今も防災フェスタなどのイベントに意欲的に参加している。「救急車が到着するまで、そばにいる人の処置が大事。知識を得て、家族や友人、知らない人でも、命を救ってほしい」

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