オーケストラ・アンサンブル金沢を指揮し、3月22日に茅ヶ崎公演を行う 広上 淳一さん 茅ヶ崎市出身 66歳
故郷に届ける最高の音楽
○…2022年からアーティスティックリーダーを務める「オーケストラ・アンサンブル金沢」(OEK)を率いて、3月22日に茅ヶ崎市民文化会館でコンサートを開催する。50年以上を過ごした故郷での公演は初めて。交響曲7番など「オールベートーベンプログラム」で「お客様と一緒に楽しい夕べを過ごしたい」と意気込む。
○…NHKの記者だった父の仕事の関係で、小・中学校時代は転校を繰り返した。中学3年生で茅ヶ崎へ。幼い頃からクラシック音楽に親しみ、指揮者になることを夢見ていたものの、当時は家族に言い出せなかったという。その思いを知った中学校の教諭らが両親に直談判し「音楽への道が開けた」。東京音楽大学で学んだ後、海外のコンクールで優勝するなど実績を重ねた。今では日本を代表する指揮者の1人として国内外を飛び回る。「夢を後押ししてくれた恩師、ありのままの自分を受け入れてくれた友人たち。茅ヶ崎に来なかったら今の自分はない」としみじみ語る。
○…OEKが本拠を置く石川県は昨年1月、能登半島地震で大きな被害を受けた。地震発生の直後から楽団員と被災地を飛び回り、音楽を届けてきた。こうした活動が評価され、このほど芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞。「自分たちができるのは、地域の皆さんの心を支えることだけ。楽団や関係者を代表していただいたと思っている」。茅ヶ崎公演でも、募金活動を行う予定だ。
○…今年からマレーシアフィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任した。「演奏者のレベルは高い」と手応えを感じる一方で、クラシックを巡る環境は発展途上。「指揮者人生の集大成の仕事になると思う。人に寄り添い、音楽を届けていきたい」
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