スギ花粉昨年の3倍 例年より遅めに飛散か
県内の自然環境の保全・再生に関する事業推進などを行う「神奈川県自然環境保全センター」(厚木市七沢)はこのほど、スギの木の雄花の着花量の調査結果から、今年の春の花粉飛散量(予測)が昨年の約3倍となることを発表した。
花粉飛散量を予測するため、県内のスギ林で花粉を飛散させる雄花の着花量調査を実施している同センター。今回調査した場所は、県内相模原市緑区、厚木市、愛川町、清川村、秦野市、松田町、山北町、小田原市、南足柄市のスギ林、計30カ所。各調査箇所で40本のスギを抽出し、双眼鏡や望遠鏡を用いて1本ごと調査。着花状況に応じて、4ランク(0点、10点、50点、100点)に判定し、40本の平均値(着花点数)を算出した。
過去5番目の多さ
15年前から毎年実施されている同調査。今回の着花点数の平均値(県内平均)は、66点で昨年の20・7点を大きく上回った。
過去最高であった一昨年の75・3点を下回っているものの、15年間の平均値(例年値)43点は大きく上回り、過去5番目に高い点数となった。花粉の飛散量は、昨年と比較すると、約3倍になるとみられている。
同センターによると、着花量には昨年夏の気候条件が大きく関係しているという。昨年の夏は、降水量が少なく、高温で日照時間が多かったため条件が揃い、雄花の着花が多いのだろうとみられる。また、花粉の飛散時期に関しては、1月からの積算気温が約400度に達すると飛散が始まるといわれており、「1月がとても寒いので、このままでは飛散開始時期は例年より遅くなるのでは。また、短い期間で多く飛ぶ可能性もある」と同センターは話している。
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