県政報告 自治体や地域が連携した「ナラ枯れ」被害対策を 県議会議員 森正明(自民党)
夏なのに秋の紅葉?
新型コロナウィルスの第6波が懸念されている中、自然界の森林では「ナラ枯れ(ナラ菌)」が、まん延しています。
ナラ枯れとは、クヌギやコナラなど、一部のブナ科の木が感染する伝染病のこと。今夏、平塚市内の森林所有者から依頼を受け、私もナラ枯れの被害を初めて間近で見てきました。真夏だというのに、大きなコナラの木の葉が、赤茶色く萎びており、秋の紅葉をみているのかと錯覚したほど。
これは体長5ミリほどの「カシノナガキクイムシ」が穿入してナラ菌を持ち込み、木が水を吸い上げる機能を阻害して、短期間に葉を赤くしてしまうからで、倒木や落枝による被害が出る可能性も指摘されています。「薪炭林」として伐採・更新をされていたクヌギやコナラが需要の減少に伴って太く大きくなり、「カシノナガキクイムシ」の生育に適した環境になっていったという、社会的な背景も関係しているようです。
県内の被害は31市町村に拡大
本県では、平成29年度に初めて被害が確認され、令和2年度には県内の31市町村にまで拡大。平塚市内の被害は県内では小さい方ですが、現在は市が管理する公園や道路沿いの被害木を伐採している状況です。
さらなる対策が必要
県の対策としては、今年5月にナラ枯れ対策のガイドラインを策定し、対策にあたる市町村や関係機関との協議会や講習会等を開催していますが、全ての被害を阻止することは困難ですし、対策に充てる財源は国の補助制度を利用しても多くありません。一部の自治体では、対策を行う単独事業を創設したり、国から市町村に交付されている森林環境譲与税を充当するなど、工夫しながら対策を行っています。森林を守ることは、土砂崩れを未然に防ぐ災害防止策でもあるわけですから、森林所有者と相談しながら、防除対策をもっと行う必要があるのではないでしょうか。
ボランティアやNPO団体と共に対策活動をしている自治体もありますから、ぜひ、自治体と地域が連携し、知恵を絞って「森」を守っていただきたいと思います。
■企画・制作/森正明事務所【電話】0463・21・8655【FAX】20・2002【URL】www.morimasaaki.net
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