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公開日:2025.07.11
大磯町
140年目の海開き
松本順称えるイベントも
今年、開設から140周年を迎える大磯海水浴場(北浜海岸)が7月13日(日)、海開きする。当日は大磯に海水浴場を開いた松本順(1832年―1907年)の謝恩碑前での黙とうのほか、安全祈願の祭事が実施される。海水浴場の開設は8月31日(日)まで。
はじまりは健康のため
松本順は長崎でオランダ医学を学び、江戸幕府や明治政府の軍医を務めた医者。1885年に陸軍軍医総監を退官後、国民の健康増進のための『海水浴概説』を出版し、伊豆や小田原、金沢八景などを訪れては適地を探していたという。第一候補の小田原では地元の理解が得られず断念。弟子の鈴木柳斎が大磯で医院を開業していたことから、大磯に立ち寄り、照ヶ崎海岸を訪れた。
照ヶ崎海岸は、北西に山があり寒風を防げることや、潮の干満が大きく身体に良い刺激を与えられること、砂浜が広く貝殻が少ないため素足で歩けることなど、海水浴場としての条件が揃っていた。当時の町長など町の有力者の協力もあり、1885年に海水浴場の開設に至ったという。
一大リゾート地へ
1887年には、松本が大磯駅開業を政財界に働きかけたほか、渋沢栄一ら政府要人のための会員制診療所兼旅館「禱龍館」を開設。1908年に日本新聞社が掲載した避暑地人気投票では、大磯が1位になるなど、リゾートとしてのブランドを確立させた。「東海道の宿場町」という機能を失いつつあった大磯の新たな観光資源として、また、別荘地としての大磯を根付かせる大きな要因となった。
開設期間中、海の家の営業はないものの、無料シャワーやトイレは利用可能。その他、140周年を記念して、大磯町ではさまざまなイベントを企画している。
大磯海水浴場開設140周年記念講演会は7月13日(日)、福祉センター(さざれ石)2階レクリエーション室(大磯町大磯1352の1)で実施。午後1時30分〜3時。大磯町郷土資料館の富田三紗子学芸員や、東京海洋大学の中原尚知氏が講師を務め、医療からレジャーへと発展を見せた大磯海水浴場の歴史や、海洋レジャーの未来について講演する。
また、7月26日(土)には、「大磯海祭〜松本順大感謝祭〜」と題して、津波避難タワーを舞台にしたダンスイベントや花火のカウントダウンを実施する。午後5時45分〜。問い合わせは、大磯町産業観光課【電話】0463・61・4100。
その他、7月19日(土)・20日(日)には高来神社夏季例大祭「大磯御船祭」を開催。大磯町郷土資料館(大磯町西小磯446の1)ではミニ企画展「大磯海水浴場物語」を2月まで実施する。問い合わせは、大磯町郷土資料館【電話】0463・61・4700。
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