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公開日:2025.09.12
自作綿糸でチェロ演奏を
平塚中等生徒らが挑戦
平塚の新たな産業を創出しようと綿花の栽培などを行う柳祐輔さん(42)=平塚市御殿在住=が取り組んでいる綿にまつわるさまざまな活動「ニュードプロジェクト」のメンバーと、平塚中等教育学校4年生の8人が、自分たちで撚った綿糸を弓に使用したチェロの演奏会「綿で紡ぐメロディ」を10月5日(日)、八幡山の洋館で開催する。
2024年から、同校の自己探求プログラム「じぶんラボ」の一環で、4年生の生徒たちと連携し、活動している同プロジェクト。昨年は綿花の栽培に挑戦し、無事に収穫を迎えることができた。今年は、昨年収穫した綿花を「細くて均一な糸」に加工することを目標に、活動をスタートした。
柳さんが、プロのチェロ奏者で平塚出身の小宮哲朗さんにチェロを習っている縁から、何か一緒に活動ができないかと模索していたところ「弓の糸を綿糸にしてみるのはどうか」と提案された。綿糸を持ち込み、楽器店に張替えを頼むことも考えたが、DIYが趣味のプロジェクトメンバーも多くいたことから、自力で張替えに挑戦することに決めた。
通常、弓には細くて強度のある馬の尻尾の毛を使用する。弓に張るためには1mほど綿糸が必要だといい、「どうしても細かったり、太かったり、途中で切れてしまったりと、糸撚りには技術がいる。生徒たちも、得意不得意がありながら奮闘中です」と柳さん。糸撚りは主に手作業で進めており、綿糸100本を目指して作成中だという。
平塚中等の生徒たちが撚った糸を使った弓での演奏も小宮さんが買って出てくれた。当日は、平塚や綿、糸にゆかりがある、誰もが楽しめる親しみやすい楽曲を演奏予定だという。
「音出るか」見届けて 生徒らが綿糸の弓作成中
チェロで音を奏でるためには、弦に引っかからないよう綿糸を「均一な細さ」にすることが鍵だ。すでに市販の綿糸を使った試作の弓は作ったものの、糸の強度の面でも「市販品に相当するものが自作の綿糸でできるのか」などの不安要素はある。
「とはいえ、僕が子どもたちに見てほしいのは、大人が全力で挑戦して失敗する姿」と柳さん。「現時点で音が出るかもわからない。打ち上げ花火のように、僕たちが楽しんで仕込んだ花火が無事に打ちあがるか見届けて」と話していた。
10月5日(日)に八幡山の洋館で開催される演奏会「綿で紡ぐメロディ」は、午後1時30分開演。1時間ほどを予定している。入場無料。先着順で要予約。定員30人ほど。参加希望者はInstagram「nyudo.cotton」にあるリンクから申し込む。9月18日(木)までは同校生徒の申し込み優先。
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