大磯・二宮・中井 人物風土記
公開日:2014.10.17
創業100周年記念のトークライブを二宮町図書館と共催で開く
安藤 恭一さん
(株)吉田屋代表取締役 65歳
ミステリーがつないだ縁
○…「どう話を進めていこうかと今から楽しみにしています」。推理作家・北村薫さんとのトークライブを11月1日に二宮町生涯学習センターで開催する。北村さんとは早稲田大学在学中に「ワセダミステリクラブ」で友人になってから40年来の仲。最近は講演依頼を引き受けない北村さんだが、吉田屋が100周年であること、トークライブ形式であることを理由に実現を可能にした。ライブでは二宮町の思い出や創作活動について触れる予定だ。
○…「私が旅行の綿密な計画を立て、彼は参加するだけ。そんな関係です」と笑いながら北村さんとの仲を語る。学生時代は二宮町の実家で他の仲間も交えサークル機関誌の製本作業を行い、園芸試験場(現ラディアン)などに連れていった。二宮駅前に新店を開店した際にはお祝いに駆けつけてくれた。5年前に北村さんが『鷺と雪』で直木賞を受賞したときの様子などを振り返り「学生時代から才能抜群でしたからね」とうれしそうに話す。
○…吉田屋は大正3年に荒物屋として開店。文具や書籍を扱うようになり、町内の教科書販売店になった。二宮高校創設で教科書販売の枠が拡大することから、親に請われ稼業に。100年を迎え「企業として生き残る大変さを実感する。先代達は時代に合わせて店を変化させていったが、自分も乗り越えていかなければ」と口元を引き締める。一方で「模造紙1枚、のし袋1枚を必要とするお客様を大切にしたい。喜んでくれる人がいる限り」と利益より個店としての存在価値を重視したいと考える。
○…小学生の頃から推理小説が大好きだったが「祖父が店の本には手を付けるなという方針だったので」休みは父の東京への仕入れに同行。怪人20面相などを本棚から抜いて読みふけったという。大学時代に古書店でみつけた本は宝物。多くは倉庫に眠っているが「色が褪せても捨てられない」と愛おしそうに笑った。
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