神奈川県は、整備が進められている広域農道小田原湯河原線のうち、小田原市石橋から根府川交差点までの区間を優先的に行い、2022年度末の部分開通を目指すと発表した。6月22日の県議会一般質問で、高橋延幸県議が質問し答えた。
同農道は、小田原市入生田の地球博物館横の早川にかかる太閤橋右岸を起点とし、ヒルトン小田原付近を経て湯河原町鍛冶屋地内の町道幕山公園通り線を終点とする延長約17Km。
国道135号線石橋から根府川交差点付近は、近年、台風などによる高波で度々通行止めになるなど交通に支障が出るようになった。ここは迂回道路がなく、地元住民などから国道135号線の代替道路として農道の早期整備を望む声が出ていた。県は、水害への対応力強化策として2月に策定した水防災戦略にこの広域農道を位置づけ、早期に着手できる場所から優先的に整備することにしたという。県の担当者は「同区間の工事を集中的に進めていく。また、地元の方々に農業振興や災害時の輸送路として、農道の利便性を実感してもらえるよう全線開通を目指し取り組んでいく」と話した。
遅れる全線開通
広域農道小田原湯河原線は、県西地域経済の活性化を目的に1996年度に整備が始まった。現場は山中で、大型重機の搬入が難しい箇所があるほか用地取得に難航しており全線開通は遅れている。県によると現在、工事完了は全体の66%にあたる約11・1Kmで、そのうち6・4Kmの部分的開通にとどまっている。
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