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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2026.07.18

小田原市川東佛教会の会長に就任した 笠 龍桂さん 小田原市別堀在住 66歳

  • 笠 龍桂さん (写真1)

仏教の真理、生涯探求

 ○…宗派を越えた54カ寺でつくる小田原市川東佛教会の会長として、仏教文化のすそ野拡大に取り組む。寺離れが進む現代の風潮を憂いながらも、今年で50回を迎える恒例の佛教講話会や住職を務める東学寺での坐禅会などを通し、「地域の方々の心のよりどころ、コミュニティーの場となれるよう、お寺の役割を皆さんと一緒に考えたい」と力を込める。

 ○…滋賀県生まれ。中学生の頃、托鉢のために自宅を訪ねてきた雲水(修行僧)の姿に「なぜつらく厳しい修行をするのだろう」と興味を抱いた。菩提寺の住職に尋ねると、返ってきたのは「楽なことが幸せだと思っていたら、人生の深い喜びを味わうことはできないぞ」という言葉。その真理を追い求めようと出家を決意し、大学を卒業後に艱難辛苦の修行に身を捧げた。

 ○…20代半ばで東学寺の一人娘だった現在の妻と見合いをした矢先に、先代住職が急逝。神戸の寺で修業中の身だったが、東学寺の跡継ぎとなるか人生の選択を迫られた。「自分が本当に求められている場所はどちらか」と葛藤し、迷いを断ち切ろうと四国八十八カ所霊場のお遍路へ。35日間で1400キロメートルを歩き通す中で迷いは消え去り、「小田原の地で勤めることこそが私の使命」と悟った。

 ○…650年の歴史を紡ぐ古刹で40年にわたり法灯を守る傍らには、自身と同様に婿入りした副住職や妻、長女らが寄り添う。男の子の孫2人に話が及ぶと途端に目じりが下がり、「『あれ、じいじいないの?』なんて言われると、私にも存在価値があるんだなって」と破顔。弁舌爽やかな法話は趣味の落語で学んだ話術の賜物といい、「笑わせて泣かせて、初めて一人前の布教師」とうなずいた。

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