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公開日:2026.07.18

旭丘高男子バスケ部 療養中の恩師に届け 選手主体で春・夏県大会でベスト8入り

  • 3年生のメンバー(前列中央が福永さん)

    3年生のメンバー(前列中央が福永さん)

  • 積極的に選手とコミュニケーションをとる福永さん(右)

    積極的に選手とコミュニケーションをとる福永さん(右)

 旭丘高校男子バスケットボール部が、創部史上最高成績となる春と夏の県大会ベスト8入りを果たした。今年1月から、長年指導する監督が病気療養のため不在となる窮地を乗り越えて結実した好成績。その舞台裏には、一人の学生コーチの姿があった。

 創部は男女共学化から間もない2000年。18年度から亀鷹良輔教諭(37)が監督を務めてきた。しかし今年1月に亀鷹教諭が療養のため現場を離れざるを得なくなった。またもう一人の顧問も25年度での離任が決まっていた。同部OBの川田航大教諭(24)が4月に着任して監督に就任したが、4月下旬開幕の県大会関東予選が迫っていた。

 「チームの状況を最も把握しているのは選手たち自身」と川田教諭。選手とチームの在り方を話し合い、戦略など彼らの自主性を尊重することにした。その中で学生コーチをしている福永丈翔(たけと)さん(3年)を中心に、選手主体で県大会に臨むことにした。

コーチ転身への葛藤と決意

 小学2年生からバスケをはじめた福永さん。高2の夏に大きな足の故障をして、亀鷹教諭のすすめもあり昨年秋に学生コーチに転身した。「打診されたときは、まだプレーヤーへの未練があった。もう一度プレーさせてもらったが、周りの動きについていくのが精いっぱいだった」

 葛藤する福永さんに対して恩師が伝えた打診理由は、誰よりも人と向き合い、率先して動ける視野の広さ。その思いを聞いた福永さんは、人間性を評価されたことが何よりうれしかったといい、「新しいことに挑戦しようと切り替えた」と振り返る。

 チームをサポートする中で強みとなったのは、「学生ならではの距離感」。選手の本音をくみ取り、監督とのパイプ役となって戦術へと還元する―。プレーヤーとしての経験と、一人一人の特性を掴み、ゲームメークに生かす姿勢で、チームの信頼を得ていった。

「タケトが引っ張ってくれた」

 そして恩師不在の中で迎えた関東予選。目標のベスト16を超え5位決定戦へ進み、あと1勝で関東大会出場に手が届くところまで駆け上がった。

 その勢いで5月末から7月にかけて行われた県総体もベスト8入り。さらにエースの牧稜泉(いずみ)さん(3年)が同部史上初の県年間優秀選手に選出された。牧さんは「3年になったとき、どうなるか不安だった。でもタケトがみんなを引っ張ってくれた」と話す。

 「関東予選は経験のなさ、メンタルの弱さであと一歩に届かなかった」と福永さんは、いまも悔しさをにじませる。また一方で高校最後の夏、自分たちの思いを尊重してくれた川田教諭ら周りの協力への感謝も尽きないという。

 福永さんは県大会後、受験勉強に専念するために学生コーチを引退。次の夢は、教師になって恩返しすること。「チームのメンバーやクラスメート、保護者、そして何より先生方の協力でできたことだから」と笑顔をみせた。

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