小田原市 旧内野醤油店、利活用へ 公有化で地域活性を促進

社会

掲載号:2022年5月14日号

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板橋地区にある旧内野醤油店
板橋地区にある旧内野醤油店

 小田原市は3月、明治時代の建築様式を今に残す小田原市板橋の「旧内野醤油店」を公有化した。今年度から現況調査や実証実験などを行い、2025年度の利活用開始を目指す。

 旧内野醤油店は100年近くにわたって醤油醸造業を営んだ旧家。1903(明治36)年に建築された店舗兼主屋などが、2017年に国登録有形文化財に登録されている。建物は旧東海道に面して箱根板橋駅にも近く、近隣には歴史的建造物が残る松永記念館や皆春荘などがある。

 市は「なりわいや職人文化を伝え、板橋地区の重要な景観を構成する貴重な建物」として、19年度に策定された「歴史的建造物利活用計画」などを踏まえて20年度、旧内野醤油店の公有化の検討を開始。21年度に「国の補助金を活用できる段階になった」(市文化政策課)として、今年3月に公有化した。

公民連携での運用目指す

 市は公有化により、建物の維持・保全に加えて板橋地区の地域活性化を促進し、新たな回遊性を生む拠点としての活用を目指している。公民連携での運用を視野に21年度、民間事業者へアンケートを実施したところ、6事業者が関心を示した。同課によると利用形態として宿泊施設やコワーキングスペース、飲食店などの活用があがったという。

 また市は4月中旬から9月末まで、施設を活用したイベント主催者を募集して実証実験を実施している。地域性や歴史的背景、文化体験などを含むイベントを通して施設の周知やニーズを知ることで、将来的な利活用方法の可能性を探る。

 今後は今年度中に現況調査と耐震診断を実施、耐震改修等工事や利活用事業者の募集などを経て、25年度に利活用を開始する予定。同課は「貴重な建物を後世に伝えていくことができれば」と話した。

 旧内野醤油店は初代・内野種三郎氏が酒の醸造業を営んできた本家から分家して開業、3代にわたって醤油醸造業を営んできた旧家。

 店舗兼主屋は土蔵造り風の建物で、なまこ壁や石造アーチなど和洋折衷の意匠が取り入れられている。敷地内には工場のほか3つの蔵が備わり、いずれも明治から大正にかけて建造された。

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