春めき桜を育てる会の代表を務める 渡辺 円一さん 南足柄市怒田在住 80歳
楽しく地元に貢献
○…2月中旬から4月上旬までその淡いピンク色と甘い香りを楽しむことができる南足柄発祥の桜「春めき桜」。怒田地区の一ノ堰ハラネでは3月中旬頃に116本が見頃を迎え、毎年多くの来場者で賑わう。同地区では「春めき桜を育てる会」の会員らが保存活動に取り組んでおり地域の誇りとして大切に守り続けている。「春めき桜は南足柄になくてはならない存在」と語る。
○…春めき桜との出合いは約25年前。近所の知り合いが植えたその桜の鮮やかな花に魅せられた。2002年に会を発足させてからは100人を超える会員とともに手入れを行い、毎年開花に合わせてイベントを開催するなど南足柄市の観光名所の1つへと成長させた。関東一円から多くの人が訪れるといい、来場者が桜を愛でている姿を見るのが活動の何よりの励みだ。
○…しかし、高齢化によって会員数は徐々に減少。残った40人ほどで何とか運営を続けてきたが、自身は一昨年に目の持病が再発し桜の周りの草刈りや車の運転も困難になった。「会の解散も考えたが、こんな立派な桜たちを埋もれさせるのはもったいない」と存続の道を選んだ。現在は新たな協力者を探すために説明会を企画するなど前を向いている。どんな状況下でも「暗くならず、楽しめば道は開ける」がモットー。
○…富士フイルムを退職後、PTA会長や民生委員、自治会長を歴任。地域に深く関わるようになってから地元に対する愛着がますます強くなった。「協力して盛り上げるのが楽しくてね」。観光振興によるまちづくりを推進するなど、市議会議員も3期務めた。生まれ育った地元への恩返しの思いが、常に活動の根源にある。「だからこそ、守りたいんです」
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