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公開日:2025.10.04

「旅館の娘」山北町をPR
「町のイイとこ」SNSで

  • SNSの撮影を行う井上さん(中央)と佐藤会長(左)

 ふるさと山北町を知ってもらおうと、同町在住の井上琴音さん(26)がSNSを活用し魅力発信に取り組んでいる。今年6月の開始以降、活動の輪が広がり、地域での後押しも強まってきた。

 井上さんは「旅館の娘 山北町の魅力発信」のアカウント名で、インスタグラムと動画投稿アプリTikTokで情報を発信。家業の老舗旅館、信玄館の娘が町の魅力を発信するというコンセプトのもと、駅前の飲食店や西丹沢大滝キャンプ場などに足を運び、その様子を伝えている。

 投稿に対しては活動を応援する声や紹介先に対して興味を示すコメントなどが寄せられた。井上さんは「県内の人でも山北のことをあまり知らないという声もあった。活動を通して町の魅力が少しずつ広がっていけば」と話した。

認知から来訪へ

 活動を始めたきっかけは前職を退職し家業に戻った2023年。旅館のインスタグラムに投稿した川辺の動画が大きな反響を得て、SNSの可能性を実感した。

 それから知人の紹介で24年にSNS運用代行の仕事に就き、茅ヶ崎市と山北町の二拠点で旅館業との両立を開始。個人アカウントの開設を勧められた際に浮かんだのは、地元の魅力を発信することだった。「一度、地元を離れたからこそ、田舎ならではのゆったりとした雰囲気の良さに気づいた。それを、みなさんにも知ってほしいと思った」と語る。

 井上さんの活動には、地元観光関係者らからの期待も大きい。丹沢湖観光連絡会の佐藤直美会長によると、丹沢エリアではここ数年で移住者や若い世代の参入が増えた。「井上さんのような若い方が中心となって、いろいろな方法で、どんどん町をアピールしてほしい」と期待する。

 井上さんは「多くの人に取り上げられるほど、行き先の信頼が高まり、行きたいという気持ちによりさせる」と話し、認知から来訪、さらに情報発信へとつながる流れの構築を見据えている。

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