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公開日:2022.02.04
不法投棄が深刻化
市民協力もイタチごっこ
秦野市内の各所で不法投棄が続いている。1月20日には南矢名上部自治会(小澤利明会長)の役員ら約10人が大根川上流を清掃した。また峠地区にも不法投棄物が後を絶たず地域の市民が苦慮している。
同自治会が不法投棄物の回収を行ったのは今回が初めて。小澤会長が弘法山へご来光を見に登った際に、大根川上流の不法投棄に気づいたという。「このままごみを放っておくと大雨が降った時に下流の農地などへ被害が及ぶ可能性がある」と危機感を抱いた。
新型コロナ感染症拡大防止のため人数を制限し、1月20日に自治会員や市役所職員、清掃事業所など約10人で清掃を実施。道路から水路に向かって投げ込まれたと思われるごみを回収するため、水路まで下りる人と道路でごみを受け取る人・分別する人に分かれて作業した。
瓶や缶、ペットボトル、扇風機、掃除機、ベビーカー等の家庭ごみのほか、職人が使用する塗料等の事業ごみも回収。さらに上流では自動車のドアや冷蔵庫が捨てられており、清掃業者が軽トラックで運びだした。
当日回収したごみは、可燃ごみ220kg、不燃ごみ270kg。小澤会長は「ひとりの力ではどうにもならない。皆さんの力を借りて1時間足らずで作業を終えることができ感謝している」と話し、「自治会として今後はできる限り巡回を増やしたり、不法投棄があれば清掃をするなどしていきたい。不法投棄をしないでほしい」と訴えた。
峠地区では大型のゴミも
一方秦野市と大井町との市境に位置する渋沢の峠地区でも不法投棄が深刻化、住民が対応に苦慮している。道路沿いのひと気の少ない場所に度々ゴミが捨てられる。瓶や缶から時にはスーツケース、テレビなど大型のものまで投棄されている。「この前は仏壇が捨てられていた」と驚きとともに嘆くのは地域に住む石原榮一さん。
市環境資源対策課では住民と協力しパトロールを実施したり一部の場所にはカメラを設置し、監視を行うなど対策を継続しているが、現状はイタチごっこ。「悪質な場合には警察に届ける場合もある」と話す。
公道上の場合は秦野市が処分するが、市がこうした不法投棄や不適切なゴミを処分する量は年間で平均14トンにも及ぶ。
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