秦野曽屋高校・数学教諭の菊地真美さん(35)が今年2月、JAXAの「SEEC派遣プログラム」を使いアメリカのヒューストンで教育に関するプレゼンテーションを行った。日本からは教員2人が参加し、菊地さんはその1人として海外の教育関係者の前で曽屋高校で実施した授業を発表し、対数ものさしという教具をプレゼンした。
SEECは、NASAの公式ビジターセンターであるスペースセンター・ヒューストンが主催する教育関係者向けのワークショップ。各国から500人以上の教育関係者が集い「宇宙」を教育に活用した指導方法やオリジナル教材の発表や意見交換を行っている。
JAXAでは第12回からこれに日本の教員を派遣するプログラムを実施しており、菊地さんは書類選考と面接を経て参加者の1人に選ばれた。
周囲の協力得て
菊地さんがSEECを知ったのは昨年5月。SNSで見かけ「挑戦してみよう」と選考用に英文で書類作りを始めた。1次の書類選考を通り2次の面接を受け、結果は合格。そこから半年かけ、発表用に資料をブラッシュアップしたという。
テーマに選んだのは数IIで習う「対数」。例えば太陽の直径を1mに縮小した場合、地球の大きさはどうなるかをはじめ、対数がどのように役立つかを対数ものさしを使い解説した。
資料作成で工夫するとともに苦労したのが、動画の作成。単位が大きすぎて人が認識しづらい数字を認識しやすい単位まで縮小するにあたり、視覚的にわかりやすくする動画は必須だった。
「動画は生徒に教わりました。やはり若い子たちの方が得意だったので。英語も、好きなんですが発表用資料となると苦労はしました。完成した資料を英語の先生にチェックしてもらうなど周りの人たちの協力に助けられました」と感謝を述べる。イラストは全て手描きし、発表に向け英語で話す練習も積んだ。
新たな広がりも
海外の教員の発表も聞き、とても刺激になったという菊地さん。「受験勉強も大切だけど学生たちには今の勉強がどう役に立つかを考え、学びそのものに興味を持ってほしい。教師もそのためにどう教えればいいか常に考える必要があるし、そのためにこのプログラムを知り挑戦する人が増えてくれたら」と話す。
今回の参加で聴講者からの誘いを受け、菊地さんは6月にケネディスペースセンターでの発表を予定している。
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