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町田 人物風土記

公開日:2017.08.17

9月24日まで、町田市立国際版画美術館で展示会を開いている
ながさわたかひろさん
本町田在住 45歳

絵は声援に、応援は力に

 ○…肩書きは絵描き。気持ちを伝えたい対象を絵や版画で描き、絵の力で人とつながる作家活動をしている。町田市立国際版画美術館での展覧会に向けて、昨年末に町田へ移り住んだ。この街を象徴するものを考えたときに、地元のJ2チーム、FC町田ゼルビアが思い浮かんだ。今シーズンは2月の開幕戦からゼルビアの試合を描く日々を送っている。

 〇…「絵は声援に、応援は力になる」という信念が原動力。これまでプロ野球の楽天、ヤクルトの全試合を8年間に渡って版画とドローイングで描き続けた。試合の勝敗を分けたポイントとなるシーンを捉え、一枚の絵に収める。そして、その絵に描いた選手へ直接手渡した。負け試合の場合はミスした場面であっても遠慮しない。「初めのころは嫌がられることもあった。それでも続けていると、楽しみにしてくれる選手も出てきましたね」と笑う。

 〇…町田に暮らしても、現在は自宅と練習場、試合会場を往復する毎日。シーズン中は集中し、選手と同じ気持ちで過ごすのが自分なりのルール。チームの「戦力」となるため、食事は試合前に済ませ選手と同じユニホームを着てカメラを持ってピッチサイドに立つ。作品づくりはチームに対する思いとともに愛を込める。唯一の息抜きといえるのが、大好きな映画を見ること。「町田は面白い街なのに映画館がないのが残念ですね」と話す。

 〇…最近、絵を見た選手から「こんなの似てないよ」と言われたことに喜びを感じた。「気兼ねされることなく、チームの中に少しずつ溶け込めているような気がするので」。会期中はさまざまな関連イベントも企画している。この展示会が「普段野津田に行っている人たちを版画美術館へ、そして版画美術館に来ている人たちを野津田へ向かわせるきっかけになれたら」。自分の絵が人と人、アートとスポーツをつなげる役割を担えたらうれしい。

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