多摩市が主催する市民防災講演会「シンポジウム 東日本大震災から5年〜首都直下地震からの復興」が関戸公民館ヴィータホールで開催された。
市民防災力の向上を目的に、毎年開催されている同講演会。今年は、東日本大震災から5年が経過することから、「復興」に焦点をあて、今後30年で70%の確率で発生するといわれている「首都直下地震」が起きた際に、地元多摩でどのような復興が考えられるか考えようと企画された。
当日は、2部構成で行われ、1部では、5年前に被災した岩手県野田村から、「NPO法人のんのりのだ物語」で代表理事を務める下向理奈氏を招き、講演が行われた。下向氏は、村民が撮影した津波の映像や写真を使いながら、被災状況とこれまでの復興状況について報告。その中で、復興とは「震災があったけど、ここに暮らして良かったなと思えること」「家や道路を元に戻すことではなく、震災前より良くしていくこと」と言及。また「まちづくりは人づくり」であるとし、「今だからできること、今しかできないことを村民と一緒にやっていきたい」と、現在取り組んでいる村の人たちとの魅力発信事業について説明を行った。
続いて、東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センターの加藤孝明氏が登壇。「地域からすすめる防災まちづくりのポイント」について講演を行い、「市民先行・行政後追いの型」をつくることなどを挙げながら「地域で取り組むべきことの全体像を導き、それを共有する」「できることから楽しく始める」と、防災まちづくりについて言及した。
2部では、多摩大学経営情報学部の彩藤ひろみ教授をコーディネーターに、阿部裕行多摩市長も参加してパネルディスカッションが行われ、専門家や阿部市長がそれぞれの立場からの説明を行い、約100人の聴衆が熱心に耳を傾けていた。
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