大和 人物風土記
公開日:2011.02.11
大和市を活動拠点にする「ネパールの子供たちを援助する会」副代表
ヒムラル・バッタライさん
ネパール出身 28歳
ネパールとの「架け橋」に
○…5年前に留学生としてネパールから単身来日。その秋に大和市で開かれたイベントへの出演を機に、ボランティア活動の必要性に目覚めた。その後、市内に拠点を置く「ネパールの子供たちを援助する会」の立ち上げに参加。副代表として母国への支援活動を支えている。現在、会として取り組んでいるのが故郷・パルバット県への「日本村」建設。日本語教育に力を入れ、日本語を話せる子どもたちを増やしている。「日本人が親しみを持って訪問できる、楽しい場所にしていきたい」と微笑む。
○…生まれ育ったパルバット県は、ネパールの首都・カトマンドゥから遠く離れた山間部の街。「幼い頃は電気も通っていなかった」と苦笑しながら振り返る。生活は貧しく、学校に行く前には必ず実家の農業を手伝っていたそうだ。成績は優秀だったものの、経済的な理由で大学進学を諦めかけた時に、日本の団体が行っている奨学金制度を知った。「自分が勉強を続けられたのはそのおかげ。さらなる成長のため、留学先に日本を選んだのは必然だった」。
○…2年前に結婚。一人娘は7ヵ月になる。最愛の家族はネパール住まいのため、会えるのは年に2回ほど。それでも「出稼ぎの多いネパールではこれが普通」と笑う。それでも得意のパソコン技術を活かし、テレビ電話やメールで毎日連絡を取り合っている。口にこそ出さないが、生活の支えであることは間違いない。
○…会の活動のかたわら、3年前に横浜市にネパール料理のお店を友人と共に出店。現在は3店舗にまで広がった。「この経験を活かして、故郷で日本人向けのレストランやホテルを経営したい」。ネパールに新たな雇用を生み出すこと、それも将来の夢だ。ただ今は1人でも多くの日本人に、ネパールのことを知ってもらうことが目標。「お世話になった日本と、母国ネパールをつなぐ架け橋になれるよう尽力していきたい」と微笑んだ。
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