10月22日に行われる町民大学教養講座で講師を務める 森 武昭さん 神奈川工科大学副学長 67歳
ひらめきは山の中に
○…「震災や原発事故で日本の電気エネルギーが注目されている。現状と問題点をお話するとともに、環境に配慮した自然エネルギーにも触れていく」。愛川町民が教養を深める場として開催されている「町民大学教養講座」。今年度は神奈川工科大学の協力の下、エネルギーをテーマにした全4回で行われる。自身は家電工学・自然エネルギー・環境電磁工学が研究テーマ。同大学ホームエレクトロニクス開発学科教授。
○…地球環境エネルギー問題を考える時、自然エネルギーの導入と節電が重要だという。現在太陽熱や太陽光の応用、電力を水素で貯蔵するシステムなど様ざまな研究開発を進めるほか、気象条件に左右されないシステムとして小水力発電も手がける。地域や家庭でのエネルギー自給自足のシステムも視野に入れている。「研究分野以外で、できることは節電です。やればできる。照明とエアコンは特に効果が高い」と。
○…東京育ち。高校時代から数学や物理が好きな学生で芝浦工大に進学。電気工学を学んだ。「製図するにも当時はCADなど便利なものはなくて、慎重に作業を進めても最後に一滴墨を垂らしたらすべてやり直し。それがダメでね。今なら機械に進んでいるかも」と振り返る。大学卒業後は一般企業への就職を考えていたが恩師から”お声”がかかり、研究者の道を歩み始めることになった。
○…学生時代からの趣味は山登り。かつては年間70日以上を登山に費やしていた時期も。もちろん、日本の百名山は踏破。「山の苦しい体験の中でこそ、行き詰っていた研究へのひらめきが生まれることがある」と目を輝かせる。目下、自己流で料理を勉強中。そば打ちは奥さんのお墨付きだ。好きな言葉は「温故知新」。「歴史の重みからは勉強する事がたくさんある」と微笑んだ。