7月29日・30日に開かれる「アマチュア囲碁名人戦」に臨む 大関 稔さん 大庭在住 22歳
平常心でリズム良く打つ
○…アマチュア囲碁棋士の日本一を決める「名人戦」に臨む。対戦は明日29日と30日の両日、第11期アマ名人で同じ大学生の平野翔大さん(20)と湯河原町で三番勝負を行う。「同じ神奈川県で小さいころから対局をしてきた相手。お互い手の内は知っている。最近では負けた記憶はないが、それが逆に怖い。このままでは終わらないだろうという不安もある」。大一番を前に自信と不安が入り混じった心境だ。
○…大庭で生まれ育った。友人に誘われたことがきっかけで、小学2年生から囲碁教室に通い始める。才能が見初められ、小6から高2まで、プロ棋士の卵にあたる「院生」として指導を受け、プロを目指した。20歳まで挑戦を続けたが夢は叶わず断念。再出発しようと大学に入学した。「やはり囲碁が好きで、大学でもアマチュアとして続けようと。その環境が、自分に合っていたみたい」
○…大学生になってからは、全日本の学生3大タイトルとされる、本因坊決定戦、囲碁王座戦、囲碁十傑選を制し、学生タイトルを総ナメ。昨年は全国アマチュア本因坊決定戦で優勝と快進撃が続いている。「仲間たちとわいわい楽しくやっている雰囲気が合っている。教えることも増えた。プロを目指していたころは、一人孤独に、自分を高めことに集中していた」。大学では囲碁部の部長としてチーム運営や管理、後輩の指導などにも力も注いでいる。
○…趣味は野球観戦。横浜DeNAベイスターズのファンで球場まで応援しにいくことも多い。ピッチャーとバッターの勝負の駆け引きや心理状態は、囲碁に通じるそうだ。名人戦を前に練習に励みたいが「対戦前日まで大学の試験がある」と苦笑い。「本番は平常心で自分のリズム・ペースを崩さないで打つことが勝利につながる。この感覚は、囲碁十傑選に勝ったときに掴めたもの」。大学で伸びた実力で、アマ名人の座を狙う。
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