鎌倉市図書館が7月20日(水)、神奈川県下初の公立図書館開館100周年を迎える。それにあたり市民らが4年がかりで100年の歩みを一冊の本にまとめた。20日より中央図書館をはじめ市内5つの図書館で閲覧や借りることができる。
記念本「鎌倉図書館百年史」は、ハードカバーB5版で400頁以上の大作。300部の非売品。
内容は、金沢や名越などの文庫や五山文学の鎌倉の文字文化から、江戸・明治の文字文化にふれ、その後、図書館の創立から現在にいたるまで、時系列に詳細を解説している。また末尾には市人口や図書館予算の推移などの資料もついている。
この百年史編集にあたり市は2007年3月、市広報誌で図書館100周年記念の準備委員を募集、推薦も含め7人の市民が集まった。まずは2年かけてどのようにまとめるか、コンセプトを検討、09年4月に5人の実行委員会が発足した。準備委員会から参加していた元川崎市図書館職員の和田安弘さんが委員長を務めた(人物風土記参照)。
この百年史は、和田さんによると「事実を丹念に調べ、掘り起こして記録することを第一の目的とした」という。執筆は、図書館や近代資料室の職員をはじめ、実行委員が担当した。
これまで周年による図書館の歴史をまとめた文献がなく、和田さんをはじめ執筆者は資料集めに苦労したという。72年から86年まで館長を務めた故鹿児島達雄さんが、個人で図書館の資料を収集しており、それが大いに役立ったようだ。
歴史を紐解いた和田さんによると「鎌倉の図書館は、創設も復興も篤志家の寄付が大きい。また所蔵資料も寄付が多く、市民に支えられた図書館」だという。
記念講演会も
7月20日には、鎌倉生涯学習センターホールで記念式典の後に、講演会も企画されている。講師に芥川賞作家で鎌倉市在住の藤沢周さんと、文化庁長官の近藤誠一さんが講演する。午後1時からで入場無料、先着200人。参加希望者は【電話】0467(25)2611中央図書館まで。
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