腰越地区に広がる広町緑地で9月21日、「ミドリヒョウモン」が確認された。同緑地で畑作などを行う「鎌倉広町の森市民の会」が月例観察で発見。市内では12年ぶりの観察報告だという。
タテハチョウ科ヒョウモンチョウ族に分類されるミドリヒョウモンは、はねの裏側に緑色を帯びるのが特徴。ユーラシア大陸に広く分布し、神奈川県内では丹沢山塊で見ることができる。しかし平地ではほとんど見られず、日本蝶類学会の原田基弘さんによると「約20年前に平地に多くの個体が降りてきたほか、2002年に梶原での記録があったが、それ以降鎌倉での観察報告はなかった」という。
ミドリヒョウモンが観察されたのは9月21日。同緑地で畑作やレクリエーションを行っている「鎌倉広町の森市民の会」主催のチョウの月例観察会でのことだった。そばの畑を観察していたとき、花に群がる6匹のチョウを発見。会員が紋様を確認したところ、ミドリヒョウモンであることが分かった。同会は「これまで見たことがなく、この辺りでは珍しい種類だと思い興奮した」と振り返る。
ミドリヒョウモンは幼虫時にスミレの葉を主なエサとするため、草花が豊富な地に生息する。発見された広町緑地は同会が約10年前から緑地保全を進めており、定期調査の際に確認される植物や生物は年々増えているという。
同会では「緑地を守り貴重な動植物のすみかを荒廃させなかったことが、新たな出会いにつながったと思う。豊かな自然を次世代につないでいきたい」と話している。
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