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公開日:2026.03.20
御成町とすいハウス
目指すは地域の「縁側」
古民家をリノベーション
鎌倉駅西口の御成通りに3月6日、戦後期に建てられた一軒家をリノベーションした商業施設「とすいハウス」(鎌倉市御成町10の3)がオープンした。オーナーの石原稚弥(わかや)さんは、祖父から受け継いだ思い出深い建物を「御成通りの『縁側』のような存在に」と願い、新たなコミュニティーの場へと再生させた。
同施設の前身は、70年以上前に石原さんの祖父が建てた一軒家だ。石原さんにとっては夏休みや正月に訪れる「鎌倉遊びの拠点」であり、祖父の没後も両親が大切に守り続けてきた。しかし昨年5月、父親の病気により住み続けることが困難になったことから、家族で協議。建物の間取りをそのまま活用した「寄り合いアパート」のような施設にする構想が浮上した。
地元の不動産業者の協力を得て、耐震補強や内装の改装を実施。4畳半や6畳といった日本家屋特有の小さなスペースを店舗として開放した。
現在は飲食、子供服、工芸など、理念に共鳴した個性的な事業者が集結している。各店舗は完全に区切られておらず、互いの店の声や雰囲気が心地よく混ざり合う構造だ。また、1階のテラスと2階のウッドデッキは誰でも自由に利用でき、買い物の合間や待ち合わせ場所としての機能も備えている。
施設名の「とすい」は、祖父が使用していた雅号「砥水」に由来する。砥石に水を含ませて静かに研ぎ澄ます所作を指す言葉であり、「日々の営みを丁寧に積み重ねる」という思いが込められた。石原さんは「昭和の家屋が持つ余白や温度感を残しつつ、商店主や地域の人、訪れる人がほどよい距離で交わり、思い思いの時間を過ごせる新しいコミュニティーの形になれば」と期待を寄せる。
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