「流涙(涙目)について」 コラム【40】 悠先生のちょっと気になる目のはなし
乾燥が強くなるこの時期はドライアイの方にとって辛い時期ですが、反対に流涙(涙目)で悩まれている方も年間を通していらっしゃいます。
流涙は眼から涙が溢れることで、見えにくさや不快感、眼周囲の皮膚炎などを起こします。しかし、一口に涙といっても結膜炎などが原因の場合は、目やにが液状になり涙のように感じることがあるので、その場合は結膜炎の治療を行います。
これとは別に、"本当の涙"が原因の流涙で多いのが結膜弛緩と涙道閉塞という病気です。結膜弛緩は白目(結膜)が、主に加齢などで張りがなくなり、そこに涙が溜まるのが原因です。根本治療を行う際は手術で結膜を形成します。
また目頭には上下に小さな穴があり、涙は通常、眼表面を潤した後にそこから吸収されて涙道という細いトンネルを通り鼻に抜けます。その涙道が狭くなったり、詰まることで涙が溢れてしまう病気が涙道閉塞です。こちらも加齢が原因となることが多いですが、まれなケースとして抗がん剤の全身投与で涙道閉塞を起こすことなどもあります。どのケースにおいても手術が必要になるのですが、内容としては涙道に細いチューブなどを挿入して涙道を拡張したりします。
涙は少なすぎても多すぎても不快感や視機能低下の原因となるのです。
市ケ尾町の「梅の木眼科医院」の加藤悠院長が、目を健康に維持するために大切なことを分かりやすく教えてくれるコーナーです(月1回第2週目に掲載)
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