緑区 文化
公開日:2023.03.23
音楽で被災地を”再生”
中山在住 井戸朋直さん
北上音楽祭と名付けられたグループは今年3月に行われたライブを最後に12年にわたる活動を終えた。これまで90人のミュージシャンが参加。東日本大震災で被災した地域の仮設住宅など133か所に音楽を届けた。代表の井戸朋直さん(51/中山在住)は、自身がライブに訪れた仮設住宅が無くなるまでは北上音楽祭を続けようと考えていたという。
井戸さんは2011年5月に東北に赴き、3週間災害ボランティアとして活動した。「浸水した家やぼこぼこになった道路、腐った魚の臭い。これが現実なのか分からなくなるほど衝撃を受けた」と当時を振り返る。その後も定期的にボランティア活動を続ける中で被災したサックス奏者と出会いかけられた「この震災はルネサンス(再生)だよ」という言葉に衝撃を受けた。「音楽でこの被災地を再生させる一端を担えたら」。その思いを胸にサックス奏者と被災地ライブの企画を始めた。メンバーも集まり、2012年4月に全4回のライブを開催。ライブ前に感じていた「生き地獄を味わった人にどんな音楽を届けられるだろう、このライブは売名行為なんじゃないか」という不安はライブ後には無かった。「震災から1年しか経ってない、ロックも知らない高齢者がこぶしを挙げて、音楽を楽しんでくれた。やってよかったと思ったよ」と井戸さんは目を細める。
井戸さんをはじめ同グループのメンバーは今後も被災地でのライブや交流は続けていくという。井戸さんは「復興は進んでいるが、被災者の傷は癒えない。今後も東北の支援を続けていけたら」と思いを語った。
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