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緑区 文化

公開日:2026.09.24

リアル脱出ゲーム甲子園 「好き」を突き詰め準優勝 神大附属高 松澤和史さん

  • 準優勝を喜ぶ松澤さん(前列中央)と協力してくれた仲間たち©SCRAP

    準優勝を喜ぶ松澤さん(前列中央)と協力してくれた仲間たち©SCRAP

  • ゲーム用に作った商品の値札©SCRAP

    ゲーム用に作った商品の値札©SCRAP

 緑区台村町にある神奈川大学附属高校に通う松澤和史さん(3年)が団体名「m!」として、8月29日・30日に桜美林大学新宿キャンパスで開催された第5回「リアル脱出ゲーム甲子園」本選に出場し、準優勝とベストキット賞に輝いた。全国の高校生、高専生が企画・制作した、謎を解きながら脱出を試みる体験型ゲーム「リアル脱出ゲーム」のナンバー1を決めるイベントで、今回は全国から38団体がエントリー。松澤さんは結果を受け「自分が好きな作品でこの賞を取れたことがうれしい。大人が本当に全力で遊んでいて、熱狂できるものを作れた」と誇らしげに喜びを語った。

悔しさ晴らす

 これまでに約10のゲーム作品を制作してきたという松澤さん。中学3年生のときにリアル脱出ゲームを遊んだことがきかけで「めちゃめちゃ面白くて、自分でも作ろうと思った」と、友達とチームを組んで制作活動を始めた。高校1年生のときにも同イベントの本選に進んだが、結果は7位。「賛否両論はあったが、自分としては死ぬほど悔しかった。お客さんが楽しんでいないのが心残りだった」

 受験勉強が本格化する前に、「これが最後と思って」2年生のときにも挑戦したが、結果は予選敗退。その後チームも解散したが、どうしても楽しませることを諦めきれなかった。「一人でもいいから出る」という思いで周りの反対を押し切り、制作を続けた。ネタ帳を見返し、「これが一番面白い」というアイデアをブラッシュアップして今回、渾身の新作をぶつけた。

 作品名は『あるぼったくりスーパーからの調達』。ゲームの参加者はスーパーの客となり、キャンプの買い出しをするのだが、陳列されているのは牛肉24000円、焼きそば麺20000円という法外な価格の食材ばかり。参加者は謎を解くことでクーポンをゲットして、予算内での食材調達を目指す。また、制限時間(閉店時間)が近づくとセールが始まり、相手チームとの駆け引きが生まれる設計で、対戦要素も組み込んだ。「夜のスーパーで繰り広げられるしょうもない駆け引き。親しみをもってゲームに入り込んでもらうにはちょうど良いと思った」

 本当にスーパーにいるかような臨場感の演出にもこだわった。架空のスーパー名「エムノマーケット」を段ボールに印字したり、食品サンプルを使ったり「好きなだけやっちゃおうと思った。その分お金もかかった」。実際のスーパーで流されている音源『呼び込み君』を使用するため、商標権を持つ企業に掛け合ったりもした。当日の運営は「結果として前のチームのメンバーを巻き込んでしまった。賞金がもらえなかったら激安の時給になることを伝えて協力してもらった」。

 こだわった甲斐もあり、当日は大盛況。「『ここが一番楽しかった』と笑顔で言ってくれる人が多くて感動した。これで心残りは何もない。解消された」と悔いなくやり切った。

制作意欲はこの先も

 「大義名分なく、ただ作りたいから作る。大衆には受けないかもしれないけど、楽しんでくれる人もいる。この活動が好きすぎて続けてきた」という松澤さん。将来は、エンタメ関係の仕事に就くことを考えているという。直近では、コンテンツ制作やメディアのことが学べる大学への進学に向けて準備を進めている。「今回の準優勝という結果は大学入試でも使える。これが親に対してゲーム制作を続ける言い訳だった。自分ができることはこれしかないので」。次の作品制作に向けて、今日も受験勉強に勝るとも劣らない熱量でネタ帳と向き合う。

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