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瀬谷区 コラム

公開日:2022.08.25

サクラタデ 文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット)
瀬谷の生き物だより151

 秋の野に目立つタデ科植物は、萼(がく)と花弁(花びら)の区別は無く、花は萼が開いて開花する。



 "タデ(蓼)食う虫も好き好き"のタデは、ヤナギタデ(本蓼)の事で、葉を齧るとヒリヒリと辛い。刺身のつま"紅蓼"はヤナギタデの品種である。俳句の季語"アカマンマ"はイヌタデのことで、身近なタデとして知られている。どちらも花は小さく花弁が無い。この花とは対照的に大きな花を付けるサクラタデを紹介する。



 本種はイヌタデ属の多年草で水辺や湿地に生え、高さ50〜100cmで、地下茎を伸ばして増える。茎は直立して、葉は互生し、長さ7〜11cm、幅1〜2cmの披針形で、茎の先から細長い花序を出し、ややまばらに淡いピンクの花を付ける。花は長さ約5mm、直径8mm程度で5枚の花弁に見えるのは萼である。雌雄異株で、雄花は雄しべが長く、雌花は雌しべが長い。名前の由来は、花を見れば納得する。



 和泉川沿いの貉窪公園(寺の脇)の水路で8月下旬から11月頃まで咲いている。毎月定例観察会(いきものたちの谷戸観察会)を行っているので参加しては如何か。

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