下倉田町にある永勝寺(*)の敷地内にある「如来堂」が9月5日、横浜市指定文化財に指定される。同建造物は、約一年ほど前に市の調査によって県内で唯一、二面的な空間区分を認められる内部構造を持つと判明。今後修繕工事を経て、近世社寺建築の様相を後世に伝える重要な実例となる。
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今回指定される如来堂は1774年建立。建立者は不明だ。本堂近くに位置し、普段は閉ざされているが、正月や彼岸の時期に開帳し一般も阿弥陀像を拝むことができる。老朽化が進み、約1年前に修繕工事が計画。その際市教育委員会の調査が入り、内部の構造が珍しいものと判明した。
建造物は縦・横各三間(約5・4m)の方三間堂(ほうさんけんどう)という造りで高さは約4m。注目されたのは、内部が二面的な空間区分を持つ点。段差により床は入り口から手前側一間(約1・8m)、奥側が二間のスペースに分かれ、天井は逆に手前が二間、奥側が一間と区分されている=写真参照。市担当者によると県内の近世社寺建築において、このような構造の建造物はほかに類例がないという。
さらに一部が改造・後補されているものの、建立当時の資材が多く残ったまま保存されている点や、扉も古い形のまま残されていることもあわせて評価された。
同寺の田口壽人住職は「内部の構造を保ちつつ修繕し、今後も参拝に支障がないようにできれば」と今後について語った。市担当者は「市民に文化財のことを知ってもらえるように、保全に努めます」と話した。
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