高校通算40本塁打、マウンド上では投手として最速149キロを記録し、191cm、93kgの恵まれた体格に秘められた投打のパワーは他を圧倒した。
昨年10月のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから4位指名。今年はプロの世界に羽ばたく。「自分もほっとしたけれど、一番応援してくれた母が一番安心していた」。将来性や高校時代に練習を重ねて伸びたという守備、明るく礼儀正しい性格も評価された。入団契約時には栗山英樹監督から「一緒に頑張ろう」と激励されて、より気持ちが入ったという。
自分の感性を大事に
東京都出身。小学1年の終わりから野球を始め、高校進学を考える際には全国各地の強豪校から誘いがあった。横浜高校に決めたのは「地方に行く勇気はなかったから」と苦笑い。だがレベルの高い仲間と切磋琢磨し、3年連続夏の甲子園出場を果たすとともに夢見たプロへの切符もつかんだ。
順風満帆に見える陰で3年の春には原因不明の不調を経験。夏の大会が迫る中、ベンチ入りもできず、プロへの道も絶たれる状況に追い込まれた。「何がダメかわからず切羽詰まった。でも、心だけは折れなかった」。夜遅くまで黙々としっくりくるフォームを探す地道な作業。「頑張れば形になる思いはあった。自分の感性を大事に、唯一の光を信じるしかなかった」
苦境を乗り越えて臨んだ昨夏の甲子園では準優勝した秋田県の金足農業に敗れたものの、エース吉田輝星投手から2安打を放つなど、復活した姿を見せた。「最後は悔いの残らないところまでできた」
「根性」で生き残る
昨秋、ファイターズの本拠地札幌ドームで行われたファンフェスティバルで、真新しいユニフォームに身を包み、色紙に「根性」の2文字を書いてファンに披露した。「高卒1年目だけど、プロとして最高峰で仕事をする。上り詰めるには『根性』がないと生き残れない」。文字に決意が滲む。
今後の目標は「とにかくレベルアップ」。想像がつかないというプロの球に対応すべく、スピードとパワーを磨き、「1年目で何試合かでも1軍の試合に出場」を目指す。
ライバルは昨年、横浜高からプロ入りした福岡ソフトバンクホークスの増田珠内野手。寮では同じ部屋で、一番長く一緒にいた先輩だ。自身がプロ入りを決めた時には「ライバル視します」と宣言。快く受け止めてくれたという。
子どもの頃、特定の選手を見に心を弾ませて球場へ足を運んだ記憶から、「見に行きたいと思わせる選手になりたい」。地域の温かい声援も背に、新たな一歩を踏み出す。
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