中区・西区・南区 人物風土記
公開日:2026.06.04
日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、6月24日に「朱天の都」を出版する 加賀谷 きよいさん(本名:下向 清) 西区老松町在住 46歳
心を動かす物語の力
○...サカキヤヨイ名義で絵本のコンテストの受賞、出版歴はあるが、小説では初めて。受賞作は平安時代の酒呑童子の説話がモチーフ。桃太郎伝説を嬉々として話す地元の人を見て鬼に興味が湧き、着想を得た。鬼を異質な者の象徴として、人との闘いや共存、羨望や嫌悪を書き上げた。キャラクターには多様性の時代といわれる現代を生きる人々を投影する。「絵本は答えが明確で正しさが求められる。小説は読者に投げかけることができるのが魅力」と語る。
○...岩手県花巻市出身。幼い頃から絵を描いて空想の世界を旅することが安らぎの時間だった。地元大学卒業後は東京の印刷会社に就職。育児で仕事から離れた時、「クリエイティブなことがしたい」と合間に創作を始めた。小説のプロットにはイラストが添えられ、執筆時はキャラクターが頭の中で動き出す。映像が浮かぶような表現にこだわる。「書くならファンタジー。自分に一番しっくりくる」
○...受賞の知らせは中学1年生の息子と家で聞き、ハイタッチで喜びを分かち合った。夫には作品を読んで感想をもらうことも。家族の応援が力になっている。趣味は旅行で、ご当地の食と地酒を嗜んだり遺跡巡りをしたりと、その土地の文化を楽しむ。「作品のインスピレーションも受ける」とにっこり。
○...「子どもたちが芸術に触れ、作品を生み出す機会を与えられたら」と、息子が卒業した小学校の読み聞かせボランティアや子ども向けアートワークショップを開く。「作品で人を泣かせられるのはすごいこと」と、創作の喜びを語る。今後は出身地である蝦夷(えみし)の物語など、まだ書いていないテーマにも挑戦する意欲を示す。今後もその筆先で、読者の心を動かす物語を紡いでいく。
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