県内の特別支援学校に通う子どもを持つ保護者が中心となり、バリアフリー情報誌「enjoyist。かながわ」を出版した。障害がある子どもと一緒に暮らす家族にもっと外出をして生活を楽しんでほしいという願いが込められており、関係者は「障害者の外出につながれば」と話す。
特別支援学校の保護者
情報誌は上菅田特別支援学校=保土ケ谷区=に15歳の娘を通わせている田中朋子さんらが中心になって作ったもの。田中さんは娘の花歩さんと一緒に音楽ライブを訪れて楽しんでいる。このことを田中さんが同校の佐塚丈彦校長に話したところ、「その姿を本にして発信してみては」と制作の提案を受けた。
田中さんは有志を募り、賛同した9人と昨年6月から制作を開始。取材や撮影、デザインなど、各自が得意分野を担当しながら、完成させた。
誌面では「我が家のエンジョイスタイル」をテーマに4家族が取り上げられている。四肢まひの障害がある娘とともに座位保持器具を取り付けたヨットで航行を楽しんだり、養護学校に通う娘とサッカーJリーグの川崎フロンターレを応援することが元気の源だという家族、四肢まひと知的障害があり、車いすを使いながらも、キャンプを楽しむなど、それぞれの家族のいきいきとした姿が紹介されている。
ほかにも、県内のおでかけスポットや黒岩祐治県知事、県立こども医療センター=六ツ川=の豊島勝昭医師へのインタビューなども盛り込まれている。表紙には制作に携わった「トミーズカフェ」=六ツ川=の山田ベンツさんが黒岩知事とともに登場している。
佐塚校長は前任の中村特別支援学校でも、2014年に重い肢体障害の子どもとのコミュニケーションの取り方などをまとめた本を保護者が制作するのを支援している。「保護者の方が100%作り上げたことが素晴らしい。この取り組みが全国に広がれば」と話す。
田中さんは「この本を手にし、もっと障害者やその家族が外に出て、新しい『エンジョイ』を見つけるきっかけになれば」と訴える。
書店やインターネットで648円で販売されている。問い合わせはジアース教育新社【電話】03・5282・7183。
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