南区 社会
公開日:2024.01.11
能登半島地震
住宅の安全性確保を
デスク・レポート
▼元日に発生した能登半島地震は、最大震度7を観測し、石川県や富山県などに大きな被害を出した。依然として安否不明の人も多い。道路は寸断され、救助活動や救援物資が必要な場所に届かない。被災地では雪が降り、避難所でも厳しい状況が続いている。
▼横浜市は被災自治体や関係機関からの要請を受け、救援物資の提供や保健師、職員の派遣などを進めている。全国最大の基礎自治体である横浜市への期待は大きい。被災自治体の職員では手が回らないSNSの情報発信などで、横浜市が力を入れてきたデジタル分野の貢献もできるだろう。長期的な支援も含め、市は対応を続けてほしい。
▼今回の災害を教訓としたい。一番は木造住宅を中心とした家屋の安全性を高めることだ。多数の住宅が倒壊した石川県珠洲(すず)市は、約6千戸の住宅の耐震化率が51%(2019年3月末)で国の87%に比べて著しく低い。今回、耐震化された住宅も被害を受けた。横浜市の耐震化率は93%(21年3月末)だが、不安は残る。木造住宅は火災で一気に延焼する危険性がある。市が21年3月に公表した「地震時等に著しく危険な密集市街地」の29地区のうち、南区は唐沢、八幡町、庚台、清水ケ丘、大岡一丁目、山谷の6地区が対象。これらの地区は木造住宅が密集しており、耐震・耐火性能を高めることが地区の減災につながる。市は現在設ける住宅の解体や新築の補助金の増額を検討すべきだ。
▼避難所での生活も重要だ。過去の震災では、避難所の環境が悪く、持病の悪化などで命を落とす例もあった。自宅で生活できる人は在宅避難が基本だが、避難所(地域防災拠点)に多くの人が集まることは容易に想像できる。各拠点では住民による運営委員を中心に訓練が行われているが、コロナ禍で中止したり、規模を縮小したままの場所もある。拠点開設、避難者受け入れなどの基礎的な訓練は十分とはいえない。実践的な訓練が行えるよう、市は各拠点を支援してほしい。いつ起きるか分からない災害への備えを進めたい。
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