資源循環局鶴見事務所と鶴見区役所は、7月1日から、家庭で使いきれない食品を集め、必要としている人へ届けるフードドライブを開始した。区役所では、回収箱を1階正面玄関入口横に設置。資源循環局鶴見事務所=小野町39=では入口すぐの窓口で受け付け、食品ロス削減を目指す。
横浜市の家庭から出される燃やすごみには、何も手がつけられず廃棄された「手つかず食品」が年間2万トンも含まれるという。
こういった食品ロスを減らすため、横浜市資源循環局は、これまでもイベント時などに、フードドライブを実施してきた。さらに機会を広げ、気軽に食品を提供してもらうために、各区での活動を進めており、今回鶴見区での開始に至った。
箱常設は市内初
市内では金沢区や泉区、神奈川区がすでに始めているが、食品は全て窓口受け取りだ。
鶴見区も初めは、窓口となる5階で受け付ける予定だったが、より持ち込みやすいよう1階に回収箱を常設することになった。回収箱の常設は鶴見区が初めて。
対象となる食品は、未開封かつ常温保存が可能であり、賞味期限が2カ月以上あるもの。米や小麦粉、缶詰、お菓子、酒類を除く飲料など様々。
受け付けた食品は、職員が毎日回収し、賞味期限をチェックした上で、区社会福祉協議会に提供。同協議会から家庭など、必要なところへ配分される。
区役所の回収箱は、開庁時間の午前8時45分から午後5時まで受け付け。土曜開庁日も持ち込み可。資源循環局鶴見事務所は、午前8時から午後4時45分まで。
区役所担当者は「気軽に持ち込める環境を作った。まずは興味をもってほしい」とし、同事務所の露木昇所長は「寄付をしてくれる人の中にはさりげなく渡したい人も多いため、常設の箱は意味がある」と話した。
最前線の収集員手作りに思い込め
ベニヤ板で作られた回収箱の上には目立つように矢印のイラストが揺れ、隣には対象食品の絵やフードドライブの説明が書かれたパネルが置かれている。分かりやすいように見本として仮の食品が入れられた回収箱も並ぶ。
これらは、資源循環局鶴見事務所職員で、収集員の梅原岳さん、井上澄人さん、高山勇樹さんの3人による手作りだ。
パネルは初め、パソコンで作成したものの、硬い印象になり、目に留まりづらかったため、手描きに変更。タイトルは助け合いの気持ちを込めて「食品おすそ分け」と表記し、親しみやすさを演出。子どもも読めるように低めの位置に置いた。
見本の回収箱には、鶴見に多く住む外国人にも興味を持ってもらおうと、外国食品もサンプルとして入れるなど、様々な工夫が施される。
高山さんは「子どもが興味を持てば、親も目がいくと思った。素通りせず、関心を持ってもらえるといい」と期待を込める。
手付かず減らして
コロナウイルス感染症による外出自粛の影響で、4〜5月の鶴見区の燃やすごみの量は、速報値で昨年比約12%増。ゴールデンウィーク明けの1日の燃やすごみ量は320トンに上り、通常平均の倍にもなった。
その中にはもちろんまだ食べられる食品も多くあった。「もったいないと思うものは沢山あった」。ごみの現状を最前線で見てきたスタッフたちは語る。スタッフらは「少しでもごみの中に手付かずの食品が減り、助け合える社会になればいい」と願った。
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