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横浜市 初の「空き家条例」施行 罰則なし 効果に疑問も

社会

掲載号:2021年9月16日号

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放置された空き家の一例(横浜市提供)
放置された空き家の一例(横浜市提供)

 横浜市は8月、空き家などの所有者に対して適切な管理を義務化する条例を施行した。行政指導のハードルが下がる一方、罰則規定がないことから効果に疑問の声も上がる。市ではあらためて明文化することで管理の意識付けを目指すとしている。

 条例は、国の「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、諮問機関や市民意見公募の実施などを経て施行された。市内には約17万8000戸の空き家があり、うち一戸建ては2万8740戸。放置されている空き家などに関する近隣住民からの相談は年間で600件前後あるという。今後も増加が予想され、市は対策を迫られている。

所有者の罰則無し

 条例は、▽空き家などの所有者による適切な管理の義務化▽所有者のいる管理不全が進んだ空き家の状態を周囲に知らせる標識を、特措法よりも早い段階で設置可能▽所有者がいない危険な空き家で外壁剥離などが迫っている際に、行政解体などの前の段階で最小限の応急措置が可能--の3つがポイントとなる。

 一方で、空き家所有者の管理はこれまでの努力規定が義務化されるにとどまるなど、罰則などは生じない。条例施行前に市民から公募した意見の中には効果への疑問の声もあったというが、横浜市の担当者は「そもそも法律で罰則の規定がない。あくまで市の姿勢を示しつつ自主管理意識を高めてもらうための条例」と説明する。

根本からの解決を

 放置空き家は倒壊や防犯面での悪影響などが危惧される。対策に詳しいNPO法人横浜市まちづくりセンターの月出正弘理事長は、「条例ではなく、空き家にさせないための施策や制度など根本からの解決策が必要」という。相続や所有者の税金配分、認知症など家族間の問題につながるケースも多く、「支援の手をどのように周知し、行き渡らせるのかを考えるべき」と指摘する。

 市担当者は「新設した改修等補助金や一昨年設置した案内窓口などさまざまな支援策を通じ、空き家の自主的な改善を促していきたい」と話す。

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